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阪神高速 ショートストーリー

第23話 未来の道路交通に挑む情報システム(1)

交通管制システムに集まる情報量は膨大に

阪神高速道路上にある情報収集装置

 平成23(2011)年からITSスポットが全国展開された。現在、全国の高速道路を中心に1,600ヵ所(うち阪神高速道路には145ヵ所)のITSスポットが設置されている。ITS(Intelligent Transport Systems:高度道路交通システム)とは、「人」と「道路」と「車」、この三者を情報でネットワークすることである。
 阪神高速では、ITSという概念がまだ存在しなかった昭和44(1969)年に、初代の交通管制システムの運用を開始し、その後も他に先駆けてシステムの拡充、高度化を図ってきた。交通情報の活用法についても積極的に研究・開発を進めて、たとえば、路側ラジオによる情報提供や所要時間の算出と情報板への表示などは、わが国初の試みである。
 しかし、現在ITSスポットとITSスポット対応のカーナビの間では、高速・大容量の双方向データ通信が可能となっていることで、従来、交通管制システムが処理してきた情報量とは桁違いに細かく、かつ膨大な量の情報が扱われるようになっている。

情報をよりきめ細かく、使いやすい形で提供

ITSスポットのイメージ図

 道路上の情報を収集し、交通管制センターでコンピュータ処理をして、お客さまに情報提供する、その基本的な流れは変わらない。情報収集装置は、もちろん進歩しているが、収集の原理は同じだ。大きく違ってきているのは、情報提供の流れと情報量である。
 道路上の情報板による掲示では、伝達内容量は限られている。さらに、情報板は、その時点、その場所で、大多数の人が必要としているであろう一般的な情報しか提供することができない。

合流支援情報提供システム
カーナビへ音声と画像で警告メッセージを送る

 その点で、ITSスポットを通じた車への情報提供、携帯電話・パソコン・スマートフォンなどへの配信は、広範なエリアの情報を、リアルタイムで、しかも、ドライバーの各個人が必要とする、きめ細かで個別的な情報に処理したうえで提供することができる。
 こうした情報特性を活かして、ドライバーが双方向的に利用できるように、阪神高速が全国初のアイデアを盛り込んだのが、携帯電話・スマホ向けの交通情報サービス「阪神高速はしれGo!」である。
 会員ユーザーは、あらかじめ通勤時に通過する入口・出口などのマイルート登録をしておけば、毎日指定した時刻に、そのポイント付近の渋滞や事故などの交通情報がメールで配信される。指定時刻以外でも、ユーザーの側からメールで最新の情報を入手することが可能だ。ほかにも、ライブカメラで道路状況をチェックすることもでき、過去1週間の渋滞地図を見て外出予定先の渋滞を予測することもできる。
 阪神高速では現在、交通情報の活用をさらに進めていくために、民間の交通情報配信業者への効果的な情報提供を試みている。これも、阪神高速独自の企画である。地図会社や自動車メーカー、交通情報配信業者などは、それぞれ数百万人規模のユーザーを抱えており、こうした民間企業と広く連携することで、阪神高速の収集した情報をより有効に活用することができるはずだ。

(2014.8.29掲載)

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