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今ある「道」を明日の「未知」のために
~ 15号堺線、17号西大阪線 リニューアル工事を終えて ~
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保全管理課
児玉 圭
3年目
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営業課
三谷 昌之
2年目
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総務課
片山 めぐみ
1年目
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保全工事課
平野 翔也
2年目
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施設工事課
追出町 宇宙
3年目
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※所属部署、部署名称は取材当時のものです。
阪神高速道路では、2018年11月に走行性の改善、快適性の向上を目的に「15号堺線」及び「17号西大阪線」を10日間通行止めにするリニューアル工事を実施いたしました。
通行止めを伴うリニューアル工事に初めて携わった若手社員5名に集まってもらい、リニューアル工事について聞いてみました。
職種も仕事内容も違う5人がリニューアル工事にどのように携わり、連携して、工事を無事に終えることができたのか語っていただきました。
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- 児玉
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みなさんの担当を確認しませんか。私は協議調整班として、準備段階での関係各所との事前協議や調整を行いました。
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- 片山
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総務課として、主に現地工事本部の設営に携わりました。設営場所の確保やプレハブをリースするうえで、内装や配置などをリース会社と調整しました。
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- 平野
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保全工事課として、実際の工事を担当しました。10日間という限られた期間の通行止めにする区間の損傷内容を把握した上で、期間内に工事できるかどうかを判断し、補修する範囲の設計図を作成するという業務と工事を担当する施工会社と工法検討を行いました。
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- 三谷
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沿道対策班として、工事路線の沿道にお住まいの方に対しての事前説明を行い、工事期間中は工事で発生した音やにおいに対するお客さまからのご意見に対して、説明を行いました。
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- 追出町
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施設工事課として、工事期間中は、湊町PAと新設された弁天町PAに関する電気設備の工事監督を担当しました。
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- 児玉
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準備段階で何か苦労したことはありましたか?私は、工事のプレス発表から工事開始までの時間が限られていた事に苦労しました。本線上に設置する横断幕も設置位置や枚数が変わったため、再度、各所に変更協議に赴いて、対応しました。
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- 平野
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工事広報のチラシ配布については、期間が短かったこともあり、いろんな部署に協力してもらいました。
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- 三谷
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事前説明の際にお客さまから頂いたご意見や、当社からの説明内容を全体で共有することで、工事前と工事開始後でこちらから発信している情報に齟齬が出ないようしていました。
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- 片山
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リニューアル工事はお客さまにご迷惑をおかけするので、厳しいお声を頂くこともありましたか?
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- 三谷
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実は、「やっと工事してくれるんか。頑張ってや!」という応援の方が多かったです。驚きましたし、ありがたいと思い、モチベーションが上がりましたね。
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- 児玉
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テレビCMや特設ホームページに加えて、SNSの広報を増やしたよね。
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- 片山
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私もTwitterみましたよ。
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- 児玉
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そうそう、TwitterやFacebookで広報もしましたし、YouTube CM動画を今回初めて作成しました。広報については、本社のCS推進・広報室とも役割分担をして対応したね。
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- 追出町
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そう言えば、保全管理課の若手3人(児玉くん等)でテレビCMを作ったって聞いたけど、それは本当?
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- 児玉
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テレビCMを作ったっていうのは、情報が間違っている(笑)けど、若手主導で、本社のCS推進・広報室や、課内の先輩、上司に助言をもらいながら動画を作ったよ。
僕たち若手で15秒や30秒という短い時間でお客さまにより理解してもらうにはどうしたらいいか議論して、それを元にCM制作会社の方に形にしてもらいました。
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- 平野
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僕は、ラジオに出演しましたよ。通行止によって、お客さまにご迷惑をおかけする旨を話しましたが、めちゃくちゃ緊張しましたね。
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- 三谷
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ちゃんと録音して聞きましたか?
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- 平野
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・・・聞きました(笑)めちゃくちゃ噛んでましたね。
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- 児玉
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現地工事本部設置の準備は大変だったんじゃないの?
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- 片山
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設置場所は土木系社員、建物の詳細は建築系社員とそれぞれ相談しました。建物を設置した後も電源の場所や通信線の配線なども電気系社員と相談して決めました。
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- 追出町
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調整が多くて大変ですね。そういえば、高速道路に設置されている交通流監視カメラの映像を本部で見ることができるように、設定しましたね。
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- 平野
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交通流監視カメラが本部で見られると、通行止の開始時や解除時の状況も見られるし、工事の進捗状況も本部に居ながらに確認できたので、本当に助かりました。
あと、総務課さんには、いろいろな備品を準備してもらったりしました。中でも今回、現場へ行くためのバイク(工事が堺線、西大阪線全線にわたるため、通行止現場ではバイクを使って移動している)が故障した際には、総務課さんに修理対応を依頼しましたね。
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- 片山
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バイクを準備する際も、必要台数を工事班(保全工事課、施設工事課)の皆さんに確認して用意しました。ほぼ問題なく運用できてよかったです。
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- 三谷
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現地本部以外に詰所もあったよね。あれは、グループ会社の社屋だったと思うけど、どうやって使わせてもらったの?
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- 片山
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詰所は、阪神高速パトロール(株)の鉄砲交通管理所と阪神高速技術(株)の四ツ橋事業所でした。どちらもリニューアル工事のためにスペースを使わせてもらえるか、各グループ会社と協議を重ねました。入社以来、事務系の社員としか関わりがなかったのですが、今回のリニューアル工事の準備を通して、技術系の社員の方やグループ会社の方と関わりを持つ事ができ、世界が広がりました。
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- 児玉
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準備段階といえば、「巨大てるてる坊主」を作成したよね。
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あった、あった。
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- 平野
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リニューアル工事期間中は、舗装の打替え工事とか雨が降ると工程に大きな影響が出るから、本部に吊るしてましたね。
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- 児玉
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今年は新調してボールやビニール袋を組み合わせてつくったよ。おかげで天気にも恵まれたよ。
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- 児玉
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工事概要等について関係機関へ説明する際には、保全工事課さんに撮影してもらった写真をとりまとめて資料を作りました。高速道路の周辺街路にも横断幕や、閉鎖する入口を案内している道路標識に覆幕をするので、そのための道路管理者間協議(道路管理者同士が協議することによって、他の管理者の管理する道路に物を設置することができる。)や道路使用許可(道路を一時的に使用して工事を行う場合に所轄警察に使用の許可をとること。)の協議にいきました。多くの行政機関及び所轄警察と協議を行うことで、問題なく実施できたよ。事前準備は、平野くんも大変だった?
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- 平野
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保全工事課は、「どこを」「どのように」直していくのかということをメインに準備していくのですが、堺線は、過去2回同様のリニューアル工事を行っているので、床版厚がかなり薄くなっているのではないかという懸念がありました。何度も舗装の打替えをしている路線なので、舗装の切削時の床版へのダメージが蓄積されており、実際に舗装をめくると断面修復など特殊な工事が必要となる可能性がありました。事前に床版の厚さがわかるレーダーを搭載した車を走らせることで、ある程度の損傷具合を計測し、損傷のひどいところは、リニューアル工事期間中に修復できるように準備していきました。リニューアル工事でよく言われているのは、「準備8割・工事2割」なので、今回も事前の準備をぬかりなく行いました。
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- 平野
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今回のリニューアル工事は、施工量的にはかなり多い工事でした。工事開始後、思ったより一般道の渋滞が出たのですが、工事用車両も一般道を走行しますので想定より工事用車両の到着に時間を要し、一日目から工程に遅れが出てしまいました。工程を見直し、何とか四日目で落ち着きましたが。
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- 三谷
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沿道対策班として現地本部や詰所で待機するだけでなく、自転車等で巡回もしました。騒音が大きい瞬間や匂いを感じる事がありましたし、実際に沿線の方からお問い合わせを頂く事もありました。
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- 児玉
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大阪府、大阪市、警察などの関係機関には、交通影響、お問い合わせ件数などのデータを全て集約し、毎日報告していました。
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- 三谷
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沿道の方へのご説明については、私のような事務系社員だけでなく、技術系社員と一緒にお宅に出向くこともありました。常に、臨機応変に対応出来るような体制でしたね。
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- 追出町
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朝から音がするせいで鳩が一斉に飛び立ち、その鳩が自分の家に糞を落としていくので困る、というご意見もあったようですね。
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- 片山
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そんなこともあったのですね。
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- 平野
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何かあれば工事が止まるので、この機会を1秒でも無駄にしたくない中で、工事が止まってしまうリスクは解消していきたいという思いから、様々な方からのお問い合わせに対しても誠実に対応することが大事だと感じました。
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- 児玉
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TwitterやFacebookにもお客さまの声が届いていましたが、弊社からの回答もそのまま表示されて、結果として多くのお客さまがそれを目にしますので、同様のお問い合わせはSNS上では上がらなかったですね。効果があったと理解しています。
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- 三谷
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黄色いパトロールカーに搭載されている表示板でも、通行止めを告知して貰いました。多くの部署が一体団結してるのを実感しました。
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- 平野
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工程管理や問い合わせ対応などで頭が一杯だったので、食堂でホッと一息つけたのはありがたかったなぁ。
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- 片山
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24時間体制なので食堂も本部に設置しました。
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- 平野
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食堂もあって当たり前じゃないんだね。
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- 片山
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総務担当は縁の下の力持ちみたいな存在でしたが、喜んで貰えてうれしいですね。
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- 平野
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食堂でホッとしても、現場に出るとやはりプレッシャーは感じましたね。施工会社さんの作業が終わると我々社員が現場で最終確認を行うのですけど、OKを出すのかやり直しを指示するのかも自分自身の判断なので、責任を感じましたね。指示通りの作業となっているか、細かくチェックしました。先輩社員の動きも逐一観察して、勉強させて頂きました。
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- 追出町
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工程を気にしすぎると、作業の最終確認が甘くなってしまうので、判断が難しいよね。せっかく工事したのに、すぐに不具合が出ることは絶対に避けたいし。
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- 三谷
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工程と言えば、天候で大きく左右されるよね。
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- 平野
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雨が降ったらどうするかを事前段階で考えていて、今回も路面ヒーターなども用意しました。路面が濡れると舗装工事の工程に影響が出るので、乾燥させるための強力なヒーターを東北地方から手配しました。
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- 三谷
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そのあたりの苦労は正直なところ、事務系社員には分かりにくいですが、事務系として工事に対して貢献できることは何かと考えると、やはり、沿道の方に対しての説明や対応になると感じました。
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- 片山
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私も事務系社員なので、工事自体は分からないことが多いですが、工事中の本線を見た時に、多くの作業員や見たことのない工事用車両を目の当たりにし、すごい事をしているのだなと改めて思いました。
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- 追出町
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電気系としては、湊町PAに新しく情報提供用のモニターを設置しました。阪神高速道路と他機関(NEXCOなど)の情報を並べて、お客さまがどの経路を利用しようかと考えて頂くことが可能となりました。
建築系では、弁天町ミニPAの工事を行いました。私が今まで見てきた中で、一番小さいPAができていました。かわいいPAですよ(笑)
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- 児玉
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無事に工事を終えた後の慰労会は盛り上がったなぁ。
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- 片山
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慰労会もそうですが、工事開始前の団結式や工事中の差し入れも、総務課の仕事でした。缶コーヒーやみかんの差し入れがむちゃくちゃ多く驚きましたが、毎年恒例らしいですね。
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- 三谷
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役員からの差し入れを見ると、気に掛けてくれてるんだと実感しますね。
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- 三谷
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工事自体は10日で終わるけど、その準備に1年かけていろんな部署が協力して準備してきたので、一体感は半端ないね。
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- 片山
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就職活動中から会社セミナーでリニューアル工事のことは聞いていましたが、会社が一致団結して進める工事という説明が理解出来ました。技術的なことは分からないですが、次回もこの経験を活かしたいと思います。
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- 追出町
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3年目で初めてリニューアル工事に携わりましたが、通行止めをしないと出来ない施設系の工事も多く、こんなところに配線が!といった発見も何度もありました。忙しかったですが、いい部署に来たなと改めて思いました。
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- 平野
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現場に近い部署で色々と経験させて貰いましたが、「あの時こうしとけばもっと良かったな」と思う事があります。土木系社員としてこれからも研鑽を積みたいと思います。
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- 児玉
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平野くん、優等生みたいな発言やね。締めたつもりかもしれんけど、最後は先輩の僕が締めるよ。
入社前からリニューアル工事の存在については知ってたけど、事前準備の大切さや事務、技術の区別に関係なく工事の成功に向かって動いていることは、実際に今の部署に来て肌で感じました。たった10日間のために、すさまじい人数のスタッフが、同じ一つの目標に向かって、熱い思いを持って携わっているのを見て、10日間で補修を完結させることのすごさや、その10日間に集中して補修を行う大変さを日に日に実感するようになりました。
色んな点に配慮しつつも、集中して工事を進めている光景を目の当たりにして、本当に勉強になりましたし感動しました。既に、次回のリニューアル工事に向けた調整は始まってますし、次回は今回の反省点も生かしながら頑張ります!
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- 平野
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さすが先輩、中途半端な締め方ですね。
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(笑)
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