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コミュニケーション型共同研究で生まれた技術を紹介します!

コミュニケーション型共同研究は、企業さまの技術・シーズが阪神高速グループの課題・ニーズに対応するか、あるいは保有技術との融合により新たな価値が生み出せないかコミュニケーションにより確認し、有意義な成果が期待される場合に契約させていただく共同研究です。その中で生まれた特に優れた技術についてのご紹介と、コミュニケーションを進めるにあたって企業さまのシーズと当社のニーズがどう合致したかについて、ご紹介させて頂きます。

浸透型床版防水工法    共同研究者 ㈱アイゾールテクニカ

共同研究者のシーズ

・防水工事についての様々な技術を所持しており、その中でも、水分の浸入を防ぐ水性エポキシ樹脂の技術に長けています。

阪神高速のニーズ

・RC床版の疲労損傷は水が浸入することにより促進されるため、道路橋示方書により、RC床版上への防水層設置が義務付けられています。

・従来の塗膜系防水層は、舗装撤去時に生じる凹凸部分に対して均一に施工(塗布)することが難しく、出来形の維持に課題がありました。

凹凸の生じた床版

ニーズとシーズの合致

・共同研究者とのコミュニケーションを通し、水性エポキシ樹脂材料の持つ「浸透性」に着目しました。既設床版の細かいひび割れに浸透し、床版表面の凹凸をなだらかにすることにより、より確実に防水性を発揮できる「浸透型防水材」を共同開発するに至りました。

研究内容

・床版の凹凸をなだらかにする効果を持つ浸透型防水材を開発しました。
・開発品の性能を確認するため、小型切削機で切削したコンクリート板に開発品を塗布した供試体を用いて、各種性能試験を実施しました。
・下地条件の違いによる影響および施工性を確認する室内試験を実施しました。

研究結果

①浸透型防水材を開発し、阪神高速道路の複合防水層の規格を満たすことを確認しました。
②浸透型防水材がひび割れに浸透することにより、表面強度及び曲げ強度の回復効果が見られました。
③セメント系粉体を混合した浸透型防水材を塗布することにより、切削面の凹凸がなだらかになり、その上の塗膜系防水材を比較的均一に塗布することができるようになりました。

現場への適用

共同研究で得られた成果を、実工事に適用し、現場に展開しました。※試験施工のため、共同研究対象外 計測等を行い、新技術によって得られた効果を確認しました。
平成29年湾岸線リニューアル工事
施工箇所 中島第一入路S4~S7
施工数量 356.6m2
施工目的 ①施工性の確認 ②施工前後の表面粗さの確認 ③施工後膜厚の確認

阪神高速は、門戸を広く共同研究先を募集するため、今後もコミュニケーション型共同研究の取り組みを行ってまいります。直近では、本年10/24、10/25の2日間にコミュニケーション型共同研究の公募相談会を予定しており、8/20~9/20の間、公募相談会に参加して頂ける企業さまを募集しています(詳細は、コチラをご覧ください)。共同研究では、企業さまのシーズに対するニーズへの適用可能性の検討や、ニーズに応じたシーズのさらなる研究開発、実用化に向けた具現化(実装、試作)に取り組みます。共同研究において新しいアイデアが生まれた場合は、特許の取得も考えています。実用化や実績の有無は問いません。高速道路に適用の可能性があるシーズをお持ちの皆様のご応募を心よりお待ちしております。