限られた都市空間で重なり合う
複雑な構造物
建設当時の状況
大阪の中心部であるミナミの繁華街を横断するこの区間は、当時から地下に複数の鉄道の駅や地下街が上下に重なり合うように張り巡らされていました。橋梁の建設において、地下街直上では杭を使用することができないため、地下構造物への負担をできる限り軽減するように配慮する必要がありました。そこで、杭が不要で、軽量な鋼製の基礎が採用されました。
損傷原因と損傷状況
建設後の周辺環境の変化で付近の地下水位が上昇し、内部が空洞になっている鋼製の基礎内部に地下水が流れ込み、腐食が進行しています。また、内部の空間は、水位の増減を繰り返しながら常に高湿で保たれており、溶射や電気防食などの腐食対策を行うものの抜本的な対策になっておらず、さらに腐食が進行する恐れがあります。