vol.10 2016夏号「乗り放題パスで気ままにドライブ旅」
初めて出会うしずかな岸和田!
岸和田といえば、秋のだんじり祭りで全国的に有名ですが、じつは、紀州街道沿いの城下町としてのもうひとつの顔をもっています。別名『ちきり城』と呼ばれる岸和田城や城下の古い町並みやパワースポットなど、勇壮なお祭りとは対照的なしずかな岸和田も、とっても魅力的です。
市のシンボル、3層3階の復興天守
岸和田城は楠木正成の一族、和田高家が築いたと伝えられています。寛永17年(1640)には岡部宣勝が入城し、以後、明治維新まで岡部氏13代が岸和田藩を統治しました。
本丸と二の丸を上から見ると機織器の縦糸を巻く〝ちきり〟に似ていることから別名『ちきり城』とも呼ばれています。
惜しくも天守閣は文政10年(1827)に落雷で焼失。しかし、昭和29年(1954)、市民の力によって3層3階の天守が再建され、天守閣に上ると岸和田城下の町並みを一望することができます。
天守に先駆けて昭和28(1953)年に東福寺方丈庭園などの作庭で知られる重森三玲によって造られた庭園。平成26年に国の名勝に指定されました。
岸和田市観光振興協会 お城担当
松井孝人さん 杉本久実さん
岸和田市観光振興協会の公式HP『岸ぶら』では、市内の観光情報の紹介やまち歩きを案内する『岸和田ボランティアガイド』の申し込みを受け付けています。お気軽にご利用ください。http://kishibura.jp/
往時の面影をのこす歴史的な町並み
お城のすぐ西側の本町地区は紀州街道沿いに歴史的な町並みが保存・修復され、城下町のたたずまいを今に伝えています。本瓦ぶき、出格子、虫かご窓など、風情ある景観は岸和田市の整備事業と地元のみなさんの努力によって守られ、平成21年(2009)には『美しいまちなみ優秀賞』を受賞しました。
古い町並みがのこる紀州街道の一角に建つ『まちづくりの館』。観光物産の案内やお茶の無料サービスもあって散策の休憩にはもってこいです。
お祭りには、この道を重さ4トンを越えるだんじりが疾走しますが、ふだんは静かで落ち着いた雰囲気の紀州街道をのんびりと散策することができます。
だんじり発祥の神社は、厄除け勝運ちぎりの神
岸和田城にほど近い岸城神社は、平成23年(2011)に御鎮座650年大祭式が行われた歴史ある神社です。古くから岸和田村の氏神として多くの人々の信仰を集め、岸和田祭りは当社の神賑行事を起源とし、紀州街道沿いに提灯を掲げ、太鼓台などをかき出したことが伝えられています。また、岸和田城の別名ちきり城にちなみ『ちぎりの神さま』とも呼ばれ、永遠の〝契り〟をかなえる縁結びのパワースポットとしても人気です。
岸城神社は、恋愛・結婚はもちろん、幅広くご縁を結ぶ神さまとして老若男女に親しまれています。恋愛のご縁には紅白2本の「ちぎりの糸」(500円)を受けて、納所にしっかりと結びます。晴れてご縁に恵まれたら、永遠のちぎりを願って「契り御守」(300円)をお互いに交換します。
南大阪の自然が学べる楽しいミュージアム
きしわだ自然資料館は、岸和田を中心に泉州地域の自然について学べる資料館です。キシワダワニやモササウルスをはじめ、さまざまな動植物や化石、鉱物などの標本が展示されています。
そして、この資料館を一躍、有名にしたのが〝チリメンモンスター〟です。チリメンモンスターとは「ちりめんじゃこの中に混じっているちりめんじゃこ以外の生き物のこと」を指し、現在は日本中で盛んに行われている『チリモン探し』やチリメンモンスターという名前は、ここきしわだ自然資料館から始まりました。
『チリモンさがし』のイベントは夏休み中(7月10日・18日・8月13日の14:00~16:00)にも開催予定です。また、自分で見つけたチリモンをきしわだ自然資料館に持って行くと、どんな種類の生き物かを教えてくれます。
また、自分で調べる場合は、きしわだ自然友の会監修のHP、チリモンインタラクティブ図鑑http://chirimon.jp/がおすすめ。
だれもが自由に憩える2400坪の名庭園
五風荘は、岸和田市長も務めた旧寺田財閥の当主 寺田利吉が昭和4年(1929)より10年の歳月を費やして立てた邸宅です。2400坪を越える広大な敷地には、優美な廻遊式日本庭園と近代和風建築の粋を集めた主屋や3つの茶室がたたずみます。現在は、飲食店舗として活用され、手軽な料金で庭園を眺めながらお座敷でゆっくりと食事が楽しめます。また、お店を利用しなくても庭園内は自由に散策できるのでおすすめです。
五風荘は市の指定管理者であるがんこフードサービス(株)が管理運営し、飲食店舗として営業。利用客以外も庭園への入園は自由です。
手軽な一品料理から四季折々の和食膳まで、豊富なメニューの中から家族ひとり一人の好みに合わせてお食事が楽しめます。※メニューは毎月更新されるため内容が一部異なる場合があります。
テイクアウトもできて、
車内のおやつにぴったり!
岸和田でも浜地区でしか食べられないかしみん焼き。かしわ(鶏肉)と牛脂のミンチをのせることからこの名で呼ばれています。素朴なのに香ばしく豊かな風味は癖になりそう。父娘で切り盛りする大和は今年45周年を迎えた老舗の人気店です。かしみん焼き 大550円・中450円・小400円
ぜひ、おみやげに買って
かえりたい泉州銘菓
安政元年(1854)に紀州街道沿いで創業した塩五。村雨は、ぱらぱらと降る雨のようなそぼろが口中でもっちりとした食感となる小豆と砂糖と米粉を用いた蒸し菓子です。上品な甘さが人気の泉州銘菓で、売りきれる日もありますので予約がおすすめ。村雨 1本550円
〒596-0073 岸和田市岸城町9番1号 ☎072-431-3251 ○開場時間/10:00〜17:00(入場は16:00まで)※お城まつり期間中(4月1日〜15日)は20:30まで(入場は20:00まで) ○定休日/月曜(月曜が祝日・休日の場合、およびお城まつり期間中・4月1日〜15日は開場)、年末年始(12月29日〜1月3日)、展示替えの期間(臨時休場) ○入場料(天守閣)/大人300円、中学生以下無料 ○3館共通券/大人700円(岸和田城・だんじり会館・きしわだ自然資料館の3館に入場可)
106 734 624*74
〒596-0074 岸和田市本町8番8号 ☎072-433-3511 ○開館時間/9:00〜21:00 ○定休日/月曜(ただし月曜が祝日の場合は開館)、年末年始(12月29日〜1月3日) ○入場料/無料
http://kishiwadahonmachi.com
106 734 736*55
〒596-0072 岸和田市堺町6番5号 ☎072-423-8100 ○開館時間/10:00~17:00(入館は16:00まで) 月曜(ただし月曜が祝日の場合は開館)、毎月末日(土日祝の場合は開館)、祝日・休日の翌日(翌日が土日祝の場合は開館)、その他祭礼休館日(敬老の日の前日と前々日)、年末年始休館日(12月28日~1月3日) ○入場料/大人200円(特別展期間中のみ400円)、中学生以下無料 ○3館共通券/大人700円(岸和田城・だんじり会館・きしわだ自然資料館の3館に入場可) http://www.city.kishiwada.osaka.jp/site/shizenshi/
106 764 084*22
〒596-0073 岸和田市岸城町18-1 ☎072-438-1162 ○営業時間/月曜~金曜11:00~15:30・17:00~22:00、土日祝 11:00~22:00 ○総席数250席、個室あり(17部屋) ○駐車場あり(110台) http://www.gankofood.co.jp/yashiki/gofuso/
106 734 505*85
〒596-0064 岸和田市紙屋町15-4 ☎072-432-3872 ○営業時間/11:30~19:00(18:15以降のご来店はテイクアウトのみ) 水曜(月1回、火曜・水曜連休あり) ○駐車場あり(軽2台、普通1台)
106 764 187*63
〒597-0004 貝塚市西町7番1号 ☎072-422-0055 ○営業時間/9:00~18:00 火曜、第2・4水曜(祝日は原則営業) http://www.shiogo.co.jp
106 702 328*60
マップコードでカンタンに目的地を設定!「マップコード」とは日本全国の場所を特定した番号のことで、カーナビの「目的地設定」で利用できます。(マップコード対応機種)
岸和田のお隣、和泉市にも見逃せない立ち寄りスポットがあります。東洋古美術から西洋美術、浮世絵、古地図など、壮大なコレクションを収蔵する和泉市久保惣記念美術館。現在は、北斎、広重、国芳の浮世絵を集めた『水辺(みずべ)の風景』を開催中(〜7月24日)です。 http://www.ikm-art.jp/
10 399 172*82
ふだんの岸和田が、こんなに風情ある城下町だと知ってびっくり。名所旧跡がいくつもあって、それらがお城の周りに集まっているのも便利でした。ゆっくり探せば、おいしいものや楽しいところがもっと見つかりそう。だんじり祭りに訪れたことのある友だちにも、ぜひ教えてあげたい町です。