vol.10 2016夏号「乗り放題パスで気ままにドライブ旅」
夏をひとりじめ和歌山
日帰りでも行ける近場に1泊して、ご当地の魅力を探ります。
シリーズ第1回目は、徳川吉宗の将軍就任300年で注目を集める和歌山を旅しました。
和歌山人の誇り吉宗ゆかりの地をゆく
徳川吉宗は、時代劇の主人公としてテレビに登場するなど、和歌山人ならずとも親しみ深い歴史上の人物です。吉宗は和歌山城下で生まれ、紀州五代藩主を11年間務め、藩の財政を立て直し、享保元年(1716)に異例の抜擢で徳川八代将軍となり、今年で就任300年となります。
まずは、和歌山観光のスタートとして吉宗ゆかりの地を訪ねてみましょう。
近くには吉宗の正室 寛徳院の墓所である報恩寺があります。
正徳2年(1712)、吉宗が紀州藩主だった頃に設置された鐘楼。藩士の登城や時間を知らせるだけでなく、火事などの非常時にも鐘が打たれました。
時鐘堂からは和歌山城がきれいに見えます!
やっぱり吉宗公といえば颯爽と騎乗する姿。吉宗は享保年間に西洋から馬を輸入し、品種改良を行っていたそうです。
1日遊べる近場の天国 雑賀崎『番所庭園』
和歌山市の西端、雑賀崎番所ノ鼻は、平坦で海に長く突き出た地形で、紀州藩の見張り番所がありました。やがて、ペリーの来航を機に黒船の来襲に備えてお台場となりました。そして、お台場跡に昭和40年(1965)、庭園が築かれ、番所庭園が開園しました。
園内には大芝生が広がり、寝転がったり、お弁当を食べたり、自由にのんびりと過ごすことができます。海に降りるとプライベートビーチがあり、岩場は磯釣りのポイントとしてチヌ狙いの釣り人に人気です。さらに、園内にはバーベキューサイトがあり、眼下に広がる雄大な景色を眺めながら家族みんなでアウトドアが満喫できます。
番所庭園の先端に立つと、手を伸ばせば届きそうなほど近くに大小の無人島が浮かびます。江戸時代にはここから黒船が来襲しないか見張っていました。
○開設期間/開園日 ○利用時間/9:00~閉園1時間前まで ○要予約(3ヶ月前から先着順で受付)4~11月の土・日・祝日は混雑するため早めの予約を。空きがある場合は当日の申込みも可。 ○サイト数/6サイト(スペシャルサイト3、ノーマルサイト3)備品など有料レンタル有り。 ○利用料金/スペシャルサイト3,000円、ノーマルサイト1,500円(別途、入園料・駐車料要)
http://www.banndoko.com
紀伊水道が一望できる雑賀崎観光灯台
奥和歌浦雑賀崎は瀬戸内海国立公園の景勝地のひとつであり、沖合いを往く船舶にとっては安全航行の重要な目標地でもあります。そこで、昭和35年(1960)に和歌山市が観光用展望塔を整備し、海上保安庁が上部に灯台を新設しました。
灯台からは友ヶ島や淡路島、晴れた日には遠く四国の山並みや紀伊水道を一望することができます。
灯台周辺の掃除や花壇の手入れをしているボランティアグループ『雑賀崎灯台花壇の会』のみなさん
1,2kmのビーチが続く片男波海水浴場
万葉集にも詠まれる景勝地 和歌浦にある片男波海水浴場。ビーチの美しさはもとより、海もきれいで環境省選定『快水浴場百選』にも選ばれています。駐車場(850台、7月・8月:1日1,000円、通常時:500円)も完備され、ファミリーでゆっくりと海水浴が楽しめます。
『万葉集』にも詠まれた景勝地、和歌浦に泊まってみよう!
「番所庭園」や「雑賀崎観光灯台」のある一帯は、古来から景勝地として知られ、いくつもの観光スポットが点在します。徳川家ゆかりの「紀州東照宮」は関西の日光ともいわれ、左甚五郎の彫刻が有名です。古くから和歌の神さまとして多くの万葉人の信仰を集めた「玉津島神社」。和歌浦漁港から雑賀崎へと潮騒を聴きながら海沿いをゆく「観光遊歩道路」など。和歌浦の宿に泊まって新鮮な海の幸をいただき、ちょっと早起きして散策すれば、和歌山の素晴らしさがさらに体感できます。
宿のご案内は、和歌山市観光協会HPをチェック。
http://www.wakayamakanko.com/
食べずにかえれない、
和歌山ソウルフード
濃厚すぎない豚骨醤油のスープで食べやすく、和歌山ラーメンには付きものの早寿司やおでん、餃子も人気。中華そば 600円、早寿司(さば寿司)100円
全国的に知られる和歌山ラーメンの中でも、屋台での創業から50年余り続く老舗店で、いつも地元民で賑わっています。
ぜひ、おみやげに買って
かえりたい泉州銘菓
旨味を逃さず、柔らかく仕上がったさんまは干物にはない豊かな風味が味わえます。さんま開きLL10枚入り 2,400円
火山灰をベースにした独自の灰により、空気に触れることなくじっくり乾燥させたさんまです。紀州のさんま文化が生んだとっておきの名産品です。
運転中の気分転換にもおすすめ、
元祖抹茶ソフトクリーム
180円というお手頃価格ながら、一口食べると抹茶の風味が口いっぱいに広がります。甘さもほどよく控えめ。
創業安政元年のお茶の玉林園が、日本で最初に作った抹茶ソフトは地元民が愛してやまないお手軽スイーツ。イートイン形式のグリーンコーナーは市内に6店舗あります。
〒641-0062 和歌山市雑賀崎番所ノ鼻 073-444-6533 ○営業時間/4月~8月 9:00~18:00、9月~3月 8:00~17:00※閉園後の出入り不可 年中無休(ただし、荒天時・年末年始は臨時休園) ○駐車場あり(27台) ○入園料/大人600円、子供300円(未就学児以下は無料) http://www.banndoko.com
35 062 393*22
海水浴/7月~8月 〒641-0022 和歌山市和歌浦南3丁目1740 ○問い合わせ/片男波海水浴場管理運営委員会 073-447-9080
35 036 182*60
〒640-8265 和歌山市小松原6丁目1-14 073-423-6071 ○営業時間/平日11:00~15:00・17:00~25:30、土日祝11:00~25:30 月曜(祝日の場合は営業、翌火曜は振替休業)
35 155 469*14
〒640-8255 和歌山市舟津町1丁目1 073-424-5117 ○営業時間/11:00~22:30(オーダーストップあり)
35 184 496*58
マップコードでカンタンに目的地を設定!「マップコード」とは日本全国の場所を特定した番号のことで、カーナビの「目的地設定」で利用できます。(マップコード対応機種)
関西人なら1度は訪れたことのある和歌山市ですが、まだまだ知らない穴場がいっぱいでした。雑賀崎観光灯台からの眺めは瀬戸内国定公園ならではの絶景だったし、番所庭園の広々とした気持ちのいい芝生でBBQができるなんて初めて知りました。地元の人たちで賑わうラーメン店の味も格別でした。やっぱり1泊すれば、その町のいろんな魅力が見えてくることを実感しました。