第19話 大阪都市再生環状道路とミッシングリンク
大阪圏における新たな環状道路
大阪都市再生環状道路
大阪都市再生環状道路とは、大阪市を中心とする延長約60㎞の環状道路である。
平成13(2001)年8月28日に、政府の都市再生プロジェクト(第二次決定)において、大都市圏における環状道路体系の整備を進めることが決定され、その中で「大阪圏における新たな環状道路」として位置付けられた。
この道路は、湾岸線、淀川左岸線、近畿自動車道、大和川線等で構成されているが、現在、淀川左岸線の延伸部がミッシングリンクとなっている。
新たな都市拠点の形成を通じて大阪圏の再生へ
工事中の6号大和川線
(シールド工事の様子)
大阪都市再生環状道路の完成によって、①都心への流入・通過交通が減ることによる渋滞緩和、沿道環境の改善、②新幹線、空港などの交通拠点へのアクセス向上、③災害時の広域緊急交通路としての役割、④渋滞緩和による公共交通機関等の運行への信頼回復、⑤交通ネットワークの整備により、商業・業務・文化等の機能をもつ新たな都市拠点の形成などの効果が期待されている。
そして、この「新たな都市拠点の形成」を通じて、都市構造の再編を促し、大阪圏の都市機能再生を実現することこそが、大阪都市再生環状道路の究極の目的である。
道路整備の現況は、6号大和川線については、平成28(2016)年度末に完成し、4号湾岸線と14号松原線が直結する予定である。また、松原JCTでは、14号松原線と近畿自動車道の北方面を接続する改良工事を実施しており、これは平成26(2014)年度末に完成を予定している。
2号淀川左岸線(海老江JCT付近)
また、2号淀川左岸線については、1期区間(此花区北港2丁目~同区高見1丁目)が平成25(2013)年5月に完成し、これにより5号湾岸線と3号神戸線が直結した。続く2期区間は、此花区高見1丁目~北区豊崎6丁目間の4.4㎞を平成32(2020)年度に完成の予定である。
そして、この淀川左岸線の、北区豊崎付近から門真市薭島(ひえじま)付近までの延長約10kmは都市計画決定に向けた手続きが行われている区間であり、このネットワークの途切れている部分をミッシングリンクと呼んでいる。
大阪都市再生環状道路の本来の機能を発揮するためには、早期の都市計画決定が期待されるところである。
(2014.8.1掲載)