2017年、大阪湾岸道路西伸部 が事業化されました。1994年に開通した東神戸大橋、1998年に開通した新猪名川大橋から約20年ぶりとなる斜張橋が計画されています。
この事業では1995年に経験した阪神・淡路大震災の教訓を胸に未来を見据え、デザイン都市神戸にふさわしい世界に誇れる橋となるよう、3つの計画コンセプト(案)を設定しています。これまで培ってきた技術を継承し、更なる先進技術へ挑戦する想いを込め、これらのコンセプトを高いレベルで実現することを目指しています。
計画コンセプト
- 災害時においても、人流・物流ネットワーク機能を
確保できる道路 -
- 設計の想定と異なる状況に対しても、致命的な状態になりにくいこと
- 非常時においても、地域の道路ネットワークとして速やかに機能すること
- これまでの橋梁技術の知見の蓄積に、先進的な技術を組み合わせ、より効率的に性能を確保できる構造とすること
- 「みなと神戸」にふさわしい
世界に誇れる景観を創出する道路 -
- 地域をつなぐ線としての連続性を意識し、「みなと神戸」にふさわしく、まちの魅力づくりに貢献できること
- 百年先の土地利用の変化にも対応しうること
- 社会環境や自然環境と調和すること
- 将来にわたって健全な状態を維持し、
時代の変化に対応できる道路 -
- 百年、さらにその先においても、健全で快適な状態を維持しやすいこと
- 将来の社会環境の変化にも対応が容易な構造とすること
- 維持管理しやすい構造であるとともに、先進的な技術の活用により、高度化及び効率化が図られた構造とすること
新港・灘浜航路部の橋梁形式は、これらのコンセプトを踏まえ、世界に誇れる景観を創出するとともに耐震性や維持管理面から最大支間長653m、4主塔を有する連続斜張橋(図-9)を選定しています。現在世界最大の連続斜張橋であるQueensferry Crossing(イギリス、最大支間長650m、3主塔)を上回る規模であるとともに、長大な連続斜張橋の実現は日本初の挑戦となります。
連続斜張橋を実現するため、主塔形状はこれまでにない橋軸方向※5にアルファベットのAの形とし、主桁形状は上下線が分離した箱桁形式としました。東神戸大橋検討時に懸念された主桁の風による振動問題は、粘り強く風洞実験や解析的検討を重ねることにより、風による振動を克服することができました。
耐震検討では、東神戸大橋で取り入れた免震構造をさらに発展させ、橋軸方向、橋軸直角方向の両方向に免震構造として高い耐震性を有する構造としています。神戸らしく、みなさんに愛される橋となるようデザインにもこだわっています。

現在、基本構造が決まり、工事開始に向けて橋の細部に至るまで丁寧に構造検討や設計を行っています。夢のバトンをつなぎ、世界に誇れる夢の架け橋の実現に向けて、計画コンセプトを羅針盤に私たちの挑戦は続きます。

- 橋梁の長手方向(車が進む方向)のこと