2024年度、阪神高速道路は1号環状線(土佐堀~湊町間2.3km)が開通してから60年を迎えました。一方で、多くの尊い命が失われ、3号神戸線などに甚大な被害が生じた阪神・淡路大震災から30年の節目を迎え、防災や減災、さらには国土強靭化に対する重要性をあらためて認識した1年となりました。
こうした中、阪神高速グループでは中期経営計画(2023~2025)のもと、4つのマテリアリティ(サステナビリティ重要課題)解決に向けた取り組みを進めており、中間年度にあたる2024年度も着実な進捗を重ねることができました。
マテリアリティ1「地球環境の保全」では、2050年のカーボンニュートラル実現に向けた中間目標の達成をより確実なものとするため、主要施策に対し数値目標を設定しました。道路照明のLED化や太陽光発電設備の新設をはじめとした再生可能エネルギーの積極活用などを通じて、脱炭素社会実現に向けた挑戦を続けていきます。
マテリアリティ2「サステナブルなまちづくり」では、14号松原線喜連瓜破や16号大阪港線阿波座におけるリニューアルプロジェクトの進捗が挙げられます。ともにこれまで培ってきた阪神高速グループのノウハウや知恵が凝縮されたプロジェクトであり、工事期間を大幅に短縮させながら無事故で完了することができましたが、特に喜連瓜破については、工事に伴う本線通行止め期間を約4カ月短縮させることができました。ひとえに地域の皆さまをはじめとしたステークホルダーの皆さまのご理解・ご協力の賜物であり、あらためて御礼申し上げます。
マテリアリティ3「事業活動を支える経営基盤の強化」では、DEI推進課題の中でも「女性活躍推進」にスポットを当て取り組みを進めました。これまでにも育児・介護と仕事の両立支援制度などの整備を進めてきましたが、「働きやすい会社」から「働きがいのある会社」へと成長していくためには、女性社員自らによるキャリア形成とともに、これをサポートする職場風土の醸成が何よりも大切と考えています。
最後にマテリアリティ4「業務の変革や新たな価値の創造」では、大阪・関西万博におけるシャトルバスへの路車協調型自動運転システムの実装や、万博P&R駐車場におけるETC技術を活用したダイナミックプライシングなどの実現に向けた準備を進めました。これらの取り組みは、大阪・関西万博開幕にあわせた実装などが始まっており、「未来社会を見据えたプロジェクト」の一つとして、得られた知見をレガシーとして今後につなげていきたいと考えています。