阪神高速 先進の道路サービスへ

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地域や社会との「共創」でサステナビリティを実現する 阪神高速道路株式会社 代表取締役社長上松 英司

阪神高速グループのサステナビリティ

 阪神高速グループは、前身の阪神高速道路公団設立以来約60年にわたり、事業を通じてお客さまの満足を実現し、関西のくらしや経済の発展に貢献することで成長を実現してまいりました。その原動力となってきたのがグループ理念「先進の道路サービスへ」であり、「へ」には「あくなき挑戦の追求」という意味が込められています。

 昨今、気候変動をはじめとした環境・社会課題は複雑化の一途を辿っており、企業も「社会を構成する一員」として、持続可能な社会の実現に貢献し、自らも持続的に進化・成長し続けることが求められていると感じています。そのため阪神高速グループでは、2023年1月、サステナビリティ基本方針およびCSR活動指針を策定するとともに、4つのマテリアリティ(サステナビリティ重要課題)を特定し、「サステナビリティの実現」に向けた取り組みをスタートさせました。

中期経営計画(2023~2025)2年目の進捗

 2024年度、阪神高速道路は1号環状線(土佐堀~湊町間2.3km)が開通してから60年を迎えました。一方で、多くの尊い命が失われ、3号神戸線などに甚大な被害が生じた阪神・淡路大震災から30年の節目を迎え、防災や減災、さらには国土強靭化に対する重要性をあらためて認識した1年となりました。

 こうした中、阪神高速グループでは中期経営計画(2023~2025)のもと、4つのマテリアリティ(サステナビリティ重要課題)解決に向けた取り組みを進めており、中間年度にあたる2024年度も着実な進捗を重ねることができました。

 マテリアリティ1「地球環境の保全」では、2050年のカーボンニュートラル実現に向けた中間目標の達成をより確実なものとするため、主要施策に対し数値目標を設定しました。道路照明のLED化や太陽光発電設備の新設をはじめとした再生可能エネルギーの積極活用などを通じて、脱炭素社会実現に向けた挑戦を続けていきます。

 マテリアリティ2「サステナブルなまちづくり」では、14号松原線喜連瓜破や16号大阪港線阿波座におけるリニューアルプロジェクトの進捗が挙げられます。ともにこれまで培ってきた阪神高速グループのノウハウや知恵が凝縮されたプロジェクトであり、工事期間を大幅に短縮させながら無事故で完了することができましたが、特に喜連瓜破については、工事に伴う本線通行止め期間を約4カ月短縮させることができました。ひとえに地域の皆さまをはじめとしたステークホルダーの皆さまのご理解・ご協力の賜物であり、あらためて御礼申し上げます。

 マテリアリティ3「事業活動を支える経営基盤の強化」では、DEI推進課題の中でも「女性活躍推進」にスポットを当て取り組みを進めました。これまでにも育児・介護と仕事の両立支援制度などの整備を進めてきましたが、「働きやすい会社」から「働きがいのある会社」へと成長していくためには、女性社員自らによるキャリア形成とともに、これをサポートする職場風土の醸成が何よりも大切と考えています。

 最後にマテリアリティ4「業務の変革や新たな価値の創造」では、大阪・関西万博におけるシャトルバスへの路車協調型自動運転システムの実装や、万博P&R駐車場におけるETC技術を活用したダイナミックプライシングなどの実現に向けた準備を進めました。これらの取り組みは、大阪・関西万博開幕にあわせた実装などが始まっており、「未来社会を見据えたプロジェクト」の一つとして、得られた知見をレガシーとして今後につなげていきたいと考えています。

社員の理解・共感を大切に

 サステナビリティ経営をスタートさせた当初は「私たちにとってのサステナビリティ経営とは何か」「これまでやってきたこととはどのようなつながりがあるのか」など、さまざまな疑問の声が社内で聞かれました。日々の現場で取り組むのは社員一人ひとりであり、まずは社員の声に耳を傾け、「社員目線での疑問解消」に取り組むことが大切と考え、さまざまな階層の社員と「ざっくばらん意見交換会」を開催しています。また、会社の考えをハンドブック「サステナビリティの基礎」でわかりやすく伝えるなど、社員の理解・共感を大切にした取り組みを進めています。

 サステナビリティ経営を推進するうえで重要となるKPIマネジメントを実のあるものとするためには、こうした「社員との意識の共有」が前提になると考えています。数値目標ありきではなく、「そもそも何のために取り組むのか」「より良い成果を得るための鍵は何か」試行錯誤するプロセス・視座が重要です。そのためには、これまで以上にチームワークを駆使しながら、立場の上下を超え、本質的・多面的な視点で意見をぶつけ合える風通しの良い職場風土が大切であり、これからも社員と成果や課題を共有しながら、歩みを進めていきたいと考えています。

「共創」による「新たな価値創出」に向けて

 私たちの重要な使命は、関西都市圏の基幹交通インフラとして、平時・災害時とも、レジリエント(強靱)で信頼性の高い都市高速道路ネットワークサービスを提供することです。一方で、人口減少や少子高齢化、災害の激甚化、地球環境問題の深刻化、デジタル革命をはじめとする急速な技術革新の進展など、私たちは大きな変化の中にあり、現状にとどまることなく、持続可能な社会の実現に向けた「新たな価値創出」にも目を向けていく必要があると感じています。

 私たちには都市高速道路ネットワークサービスの提供を通じて培った技術力・ノウハウ(経営資本)があり、この技術力・ノウハウをより幅広い領域で活かすことで、さらなる社会課題の解決に貢献していきたいと考えています。例えば、大阪・関西万博で実装する路車協調型自動運転システムを人流・物流のさらなる高度化に役立てられないか、これまでの高速道路の建設などにおいて培った人材・技術を他のインフラや地域のまちづくりに役立てられないか、などです。

 14号松原線喜連瓜破のリニューアルプロジェクトにおいて、私たちは多様で丁寧な情報発信により、「工事のプロセス」「現場の今」の見える化に努めました。その結果、ステークホルダーの皆さまからご理解・ご支援をいただき、これまで以上に円滑にプロジェクトを完了させることができました。これはまさに「共創」であり、ステークホルダーの皆さまとの密なコミュニケーション(対話)により大きな成果(価値)を創出した貴重な経験として、今後に活かしていきたいと考えています。

 これからも、私たちの想いや取り組みをプロセスも含めてわかりやすく発信することで、双方向でのコミュニケーション(対話)が活性化し、ステークホルダーの皆さまとの「共創」による「新たな価値創出」が一層進むものと期待しています。そして、ステークホルダーの皆さまのニーズや価値観を敏感に捉え、柔軟にお応えできる組織・人づくりを行うことが、私たち経営陣に課された使命と認識しています。これらの実現に向け誠心誠意努めていきますので、ステークホルダーの皆さまには今後とも変わらぬご支援のほど、よろしくお願いいたします。