淀川左岸線阪神高速2号淀川左岸線(島屋~海老江ジャンクション)の開通について
※開通時点の情報です
阪神高速2号淀川左岸線(島屋~海老江ジャンクション)の開通について
~3号神戸線と5号湾岸線がつながり、ますます便利になります。
阪神高速道路株式会社が整備を進めてきました阪神高速2号淀川左岸線のうち、大阪市此花区島屋から同区高見の4.3kmが平成25年5月25日(土)18時に開通しました。
今回の開通で、「大阪都市再生環状道路」(約60km)の一翼を担う淀川左岸線の1期区間が完成し、3号神戸線と5号湾岸線が直接つながり、阪神高速道路のご利用がより一層便利になりました。
1.開通日時
平成25年5月25日(土)18時
2.今回開通区間
島屋(大阪府大阪市此花区島屋二丁目)~
海老江ジャンクション(大阪府大阪市此花区高見一丁目)
位置図
平面図
今回開通区間の概要
- 工事着手 : 昭和62年度
- 開通延長 : 4.3km
(正蓮寺川トンネル延長 3.6km) - 設計速度 : (本線部)60km/h (出入口・ジャンクション)40km/h
- 車 線 数 : (本線部)4車線(上下線 各2車線)
(出入口・ジャンクション)1車線 - 出入口・ジャンクション及び接続道路 :
出入口 | 接続道路 | 接続位置 |
---|---|---|
淀川左岸舞洲出入口 | 此花大橋 | 大阪市此花区北港二丁目付近 |
正蓮寺川出入口 | 大阪市道恩貴島尼崎線 | 大阪市此花区島屋一丁目付近 |
大開出入口 | 大阪都市計画道路淀川南岸線 | 大阪市福島区大開四丁目付近 |
海老江ジャンクション | 3号神戸線(神戸方面対応) | 大阪市此花区高見一丁目付近 |
開通区間の概要図
3.料金
今回の開通区間の料金は、現行の対距離制が適用されます
ETCでご利用の場合は利用距離に応じて普通車500~900円、大型車1,000~1,800円となります。
現金でご利用の場合は普通車900円、大型車1,800円となります。
利用区間 | 営業距離(km) | 普通車料金(円) | 大型車料金(円) |
---|---|---|---|
淀川左岸舞洲~姫島 | 7.1 | 600 | 1,200 |
浜寺~大開 | 22.7 | 800 | 1,600 |
- 開通により波除出入口(16号大阪港線)と中之島西出入口(3号神戸線)の間で実施している乗り継ぎは終了となりました。
- ETCに加え、現金でご利用のお客さま向けに自動収受機を導入しています。
ETCご利用のお客さまが概ね9割に達したことを踏まえ、料金収受業務の効率化を図る観点から、淀川左岸舞洲、正蓮寺川及び大開料金所に自動収受機を導入します。自動収受機とは、通行料金の支払手段に応じて音声及び画面表示にて通行料金を案内し、現金またはETCカードでの支払いが可能な料金精算機です。
※大型車等の環境ロードプライシングの適用について
現在5号湾岸線や2号淀川左岸線で実施中の「環境ロードプライシング」割引(ETCご利用の大型車や普通貨物車等対象)につきましては、今回の開通により大開出入口まで適用区間が拡がります。ただし、3号神戸線と2号淀川左岸線とを連続利用された場合には、割引対象外となりますのでご注意下さい。
(対象となる車種等、割引適用には条件があります。詳しくは弊社「環境ロードプライシング」ホームページをご覧下さい)
4.整備効果
新たな道路ネットワーク「大阪都市再生環状道路」の一翼を担います
- 3号神戸線と5号湾岸線を直結するルートが形成されることにより、大阪都心北部からの通過交通が分散され、都心部の慢性的な交通混雑が緩和されます。
- 大阪ベイエリアと都心部を結ぶ東西の交通軸が強化され、物流の効率化が図られます。
大阪の阪神高速道路ネットワークは、1号環状線を中心に神戸線、守口線、堺線などが放射状に延び、それらの路線を行き来するには一旦1号環状線に入らなければなりません。こうした大阪中心部に用事のない、いわゆる通過交通が慢性的な渋滞を引き起こしています。この問題を解決するため、平成13年に「都市再生プロジェクト」が策定され、大阪都市再生環状道路の整備が決定しました。
大阪都市再生環状道路を構成する淀川左岸線や大和川線が完成すると、新たな道路ネットワークが形成され都心部の通過交通が分散されます。それによって都心部の慢性的な交通混雑が緩和されます。
高速道路の所要時間は、過去の統計上の平日最大所要時間から算出した往復経路の平均値
一般街路の所要時間は、平成22年道路交通センサスから算出した往復経路の平均値
5.新技術
新技術を積極的に取り入れ、安全・安心・快適な道路づくりを行っています
【インバータ制御ジェットファン】
~使用電力量削減・火災時風速ゼロ化制御~
大規模な換気設備を必要とする長大道路トンネルでのインバータ制御ジェットファンの全面採用(34台)は、国内初めてのことです。これにより、従来よりきめ細かく風量をコントロールし消費電力を削減します。
ジェットファンは換気所の排風機とともに、トンネル出口から空気が漏れ出すことを防ぎ、出口周辺の環境悪化を防ぎます。また、万が一渋滞時に火災が発生した時には、お客さまが煙にまかれないよう、できる限り火災付近に煙を留めるようコントロールします。
【鋼管集成橋脚】
~損傷をコントロールし耐震性を向上~
海老江ジャンクションでは、4本の鋼管を4段の横つなぎ材で一体化した世界初の鋼管集成橋脚を採用しました。大規模地震発生時には最初に横つなぎ材が損傷して地震エネルギーを吸収し、耐震性を向上させるとともに、横つなぎ材の交換だけで早期復旧できます。また、損傷は横つなぎ材のみですので地震直後も通行可能です。さらに建設時のコスト縮減と工期短縮も実現することが出来ました。
【トンネル内LED照明】
~使用電力量・CO2排出量削減~
道路照明には、省エネルギーで寿命が長く、落下物や障害物もくっきり見える白色LED(Light Emitting Diode)を全面採用しました。
【ポーラスコンクリート舗装】
~急勾配・急カーブでの安全対策~
東行き・西行きともに正蓮寺川トンネル入口付近は下り坂が続いており、その後急カーブとなります。そのため雨天時の交通安全対策として、路面の滞水によるスリップを防ぐために、トンネル入口から最初のカーブ区間に排水性が良いポーラスコンクリート舗装を採用しました。大型車が多い重交通路線で、10,000m2を超える大規模な施工は我が国初めてのことです。
【速度抑制効果を期待したトンネル壁面デザイン】
~カーブ手前で減速を促す安全対策~
ポーラスコンクリートに加え、島屋側カーブ手前の直線区間の壁面に、速度抑制効果を期待したトンネル壁面デザインを施しました。
トンネル壁面は、視認性や走行の快適性・安全性を高めるため、トンネル内を明るくする白色に塗装します。トンネル内に施した一連の模様の間隔を調整することにより、心理的に運転者に速度抑制を促すものです。