建設困難な山間地を制するエクストラドーズド橋
図鑑 NO.005 唐櫃新橋【からとしんきょう】
阪神高速7号北神戸線 / 兵庫県神戸市 / 3径間連続エクストラドーズドPC箱桁橋
阪神高速北神戸線は神戸市北部の六甲山系北側に位置し、西は第二神明道路、東は中国自動車道に接続しています。その区間内でも、裏六甲山系に位置する唐櫃地区は入り組んだ急峻な斜面が続く、橋梁などの大規模工事が困難な場所でした。唐櫃新橋はこの難所に建設された西行きと東行きそれぞれ橋長260m・285mの分離構造のエクストラドーズド橋で、最大傾斜40°の急斜面の中腹に沿って奥山川の沢づたいに曲線状に建設されています。
唐櫃新橋の架橋付近は最大傾斜40度の狭隘・急峻な斜面で、さらに地滑りが起こりやすい軟弱地質の斜面。従来型の橋の工法では桁高が高くなり山の斜面に接触する可能性があり、支保工も地質の問題で難しい。これに対して、当時、阪神高速では施工事例のなかったエクストラドーズド橋を採用。その特性により桁高を低く抑えることができました。
基礎構造物の設計では現場の安定解析を行いました。その結果、表面地層はかろうじて斜面にのっている状態であり、将来的に表土が風化・減衰することも視野に入れ、表層のすべり面の下まで深く基礎を延長し、しっかりとした基礎構造物の構築を図っています。