大阪港の表玄関である安治川を横断する、全長640mの天保山大橋。標高4.5mの日本一低い山・天保山を見下ろすように建つ、主塔高152mのスレンダーな姿形。真下には、「天保山渡し船」が運行し、近くにはユニバーサル・スタジオ・ジャパンなどの施設も。
船が航行できる高さを確保するため、海上より52mの高さに架設されています。その為、台風を始めとした様々な自然状況に対応できるような工夫がなされています。一番特徴的なのは、偏平六角形箱桁という形状。橋全体のねじり剛性と耐久性を高めています。
天保山大橋では「せん断パネルダンパー」を設置して耐震対策を行いました。 極端な言い方をすれば、スマートに壊れてもらうためのもので、地震エネルギーを吸収し、塔斜材が座屈することを防ぎます。 これは、一部を上手に壊すことで、本体に致命的な損傷を起こさせないという、逆転の発想から生まれたものです。世界で初めての試みでした。