車と船、双方の運用に留意した橋

六甲アイランド橋は総延長約80kmの湾岸線の一部として、神戸市魚崎と六甲アイランドをつなぐ橋長217m、アーチライズ36mの非平行弦ダブルデッキローゼ桁橋です。橋の架かっている六甲北水路は港湾計画によって定められた高さ29mの制限があるため水面上32.8mの高さに架橋されています。

構造上の特徴は?

補剛桁がダブルデッキ構造になっていることと、アーチ主構がバチ状配置になっていることです。また、アーチ起拱部(アーチの立ち上がりの部分)の継手に溶接を採用し、リブの高さを4m~2mに滑らかに変化するアーチリブの優美な曲線美も特徴です。

阪神淡路大震災の時はどうだった?

1995年1月17日に発生した兵庫県南部地震により、5号湾岸線は全域にわたって甚大な被害に見舞われました。その一部である六甲アイランド大橋でも支承が損傷し、アーチ橋本体そのものも東へ約3mも横にずれてしまうという被害が発生しました。

復旧にあたっては、ずれたアーチ橋本体をまず大型クレーンで一時撤去し、長さ217m・重さ9170tのそれをもう一度クレーンで元の位置に戻すという作業を行いました。慎重かつ迅速にこれらの作業は行われ、当初1995年10月復旧を目途としていたところ、3カ月短縮し同年7月には交通開放することができました。

六甲アイランド側隣接桁の一時撤去(1995年5月上旬)
FC相吊りによる復旧作業(1995年5月中旬)

基本情報

路線
  • 阪神高速5号湾岸線
着工
1990年9月
開通
1994年4月
形式
非平行弦ダブルデッキローゼ桁橋
基礎形式
ニューマチックケーソン
全長
217m
幅員
西行 13.5m~19.004m
東行
13.5m~(15.15m+7.512m)

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