環境への取り組み阪神高速グループ環境行動計画について

脱炭素社会への挑戦

当社グループでは、カーボンニュートラル・脱炭素社会の実現に向けた環境施策の方向性を、以下の3つの視点で捉え、総合的・包括的な取り組みを推進します。

また、当社グループの事業活動のうち、道路の管理・運用やオフィス活動(=Scope1及びScope2)により排出される温室効果ガス(CO2)の削減については、2050年カーボンニュートラルの実現をゴールに定め、2030年度までに2013年度を基準として、総排出量を約50%削減することを中間目標とします。

1.より快適な高速道路サービスの提供

円滑な自動車交通の確保

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大阪市西区西本町付近交通状況

阪神高速道路ネットワークの拡充・強化により、都市部へ集中する交通負荷の軽減を図るとともに、ボトルネック渋滞の発生箇所における車線運用の改良や速度回復誘導灯の運用最適化など、さまざまな渋滞対策により円滑な自動車交通を確保することで、走行車両からのCO2排出量の削減に取り組んでいます。

高速ネットワーク整備はCO2抑制に貢献しています

自動車は時速60kmから80kmで走行すると燃費が良く、CO2排出量も少なくなります。一般道よりも効率よく走行できる環境を整える阪神高速道路のネットワーク整備そのものが地域全体のCO2抑制に貢献しています。

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2.社会インフラ企業としての自主努力(事業活動における脱炭素化)

カーボンニュートラル・脱炭素系社会に向けた目指すべきゴール

阪神高速グループでは、2050年カーボンニュートラルの実現をゴールに定め、2030年度までに50%削減(2013年度比)することを中間目標とし、事業活動における脱炭素化に取り組んでいきます。

【2022年度実績】

事業活動に伴うCO2排出量のうち、電力使用によるものが約95.1%とその大半を占めています。なお、電力使用量の多いトンネル部の開通により、2020年度以降電力使用量は増加傾向にあります。また、2022年度は、コロナ禍で減少していた交通量の回復などにより、電力使用量が増加しました。

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事業活動における脱炭素化に向けた取り組み

電力使用量の削減

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LED道路照明

CO2排出量の主な要因である電力使用量の削減に向け、道路照明のLED化を進めており、2022年度までに約63%をLED化しました。また、オフィスにおいても、不要照明の消灯やオフィスでの適正な温度設定による空調設備の運 転などにより、電力使用量の削減に取り組んでいます。

再生可能エネルギーの活用

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太陽光発電(7 号北神戸線長坂山トンネル坑口付近)

トンネルやパーキングエリア、料金所など4箇所に太陽光発電設備を設置し、発電した電力はトンネルやパーキングエリアなどで使用する電力の一部に利用しています。

社用車における電動車の導入

電気自動車

代替不可能な場合を除き、社用車の新規導入・更新は、すべて電動車(ハイブリッド車や燃料電池車含む)への転換を推進しています。

3.地域や社会との共創(地域や関係事業者との協働)

次世代自動車の普及促進

電気自動車用急速充電器の設置

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環境面に優れた電気自動車が安心して阪神高速道路を走行できるよう、すべての有人パーキングエリア(6箇所)に急速充電器を設置しています。今後、お客さまのニーズなども踏まえ、より高出力な充電器への更新などを進めていき ます。

循環型社会の形成

限りある資源を有効に活用し、環境負荷を低減させるため、より付加価値の高い再生材の利用方法に着目し、建設副産物をはじめとする廃棄物の3R〔 Reduce(発生抑制)・Reuse(再使用)・Recycle(再生利用)〕に取り組んでいます。また、グリーン購入法に沿った調達 方針を定め、環境負荷の少ない資材の調達を推進し、調達可能な事務用品については、グリーン調達率100%を目指しています。

廃棄物の削減、資源の循環的利用の促進(3Rの推進)

パーキングエリアにおける廃棄物の削減

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てまえどりPOP

賞味期限間近の商品の割引販売や「てまえどりPOP」の陳列棚への設置などにより、お客さまとともにフードロス削減に取り組んでいます。また、レストランなどから出る廃食用油については、すべてリサイクル処理を実 施しています。

横断幕再生プロジェクト

横断幕再生バッグ

阪神高速道路で使用した横断幕をリサイクルする「横断幕再生プロジェクト Re:loop阪神高速」を実施しています。「横断幕」とは、道路上に掲示し工事や通行止めなどの情報をお知らせするものです。カラフルで雨風に強い素材の特性を生かし、バッグなどに再利用しています。
また、使用済み横断幕を企業・団体に無償で提供し、有効活用していただく取り組みも実施しています。

グリーン調達の推進

グリーン購入法に沿った調達方針を定め、グリーン調達率100%を目指し取り組んでいます。高速道路の建設・維持修繕工事において70品目を対象に調達を行い、事務用品などのグリーン調達についても、引き続き推進してまいります。

より良い都市環境の創造と共生

騒音の低減や環境ロードプライシングなどによる大気質の改善に取り組んでいます。
また、地域との連携や社会への貢献のため、景観など周辺環境との調和に配慮しています。

沿道環境の改善

遮音壁の設置

遮音壁の例

走行する自動車からの騒音を低減するため、吸音効果の高い遮音壁などを設置しています。

環境施設帯の整備

環境施設帯の例

沿道のまとまった土地を植樹帯とする環境施設帯を整備して、騒音の軽減、大気質の改善、緑化による潤い創出などに取り組んでいます。

高機能舗装の敷設

道路交通の騒音は、タイヤと舗装の間で空気が圧縮・膨張することが一因です。こうした騒音を低減するため、多くの空隙(すきま)を有する「高機能舗装」の敷設を進めています。「高機能舗装」は排水性に優れているため、降雨時は雨水が速やかに舗装へ浸透し、タイヤの滑りや水はねを防止して路面標示が見やすくなるなど、走行安全性も向上します。

高機能舗装の仕組み

トンネル区間の排気処理

長大トンネルでは、トンネル内の排気ガスを含んだ空気が坑口から漏れ出すことを抑え、空高く排気するために換気所を設置しています。また、この換気所には排気ガスに含まれる浮遊粒子状物質(SPM)を除去する除塵装置も設置しています。

(注)トンネルにおける換気設備の一般的な働きをわかりやすく図解したものです。
各トンネルによって、実際の機器などの配置は異なります。

「環境ロードプライシング割引」の実施

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環境ロードプライシングとは、並行する有料道路の路線間での料金格差などで、都心部や住宅地への交通流入を抑制する政策手法であり、沿道環境の改善を図る施策です。阪神高速では、国道43号・阪神高速3号神戸線沿道の 大気環境改善のため、2001年11月から5号湾岸線の貨物車などの料金を割り引く「環境ロードプライシング割引」を実施しています。これにより交通転換が進み、2022年11月には5号湾岸線の分担率が実施前に比べて21.5ポイント 増加し53.3%となっています。

周辺環境との調和

港大橋・東神戸大橋(湾岸線)のライトアップ

港大橋

大阪湾ベイエリアのにぎわいの創出と活性化に貢献するため、湾岸線の港大橋と東神戸大橋でライトアップを実施しています。

景観に配慮した道路構造物の整備

大阪湾岸道路西伸部 模型 新港・灘浜航路部

大阪湾岸道路西伸部では、『「みなと神戸」にふさわしい世界に誇れる景観を創出する道路』をコンセプトにデザインの検討を行い、整備を進めます。

環境啓発とコミュニケーション

阪神高速グループの森づくり(生物多様性)

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阪神高速グループの森

「尼崎21世紀の森構想」※の拠点施設である尼崎の森中央緑地内での「阪神高速グループの森」づくりは6年目に入り、多様性豊かな15種類の苗木は順調に成長し、2023年3月には初めての間伐作業を行いました。森には昆虫や鳥 が集まるなど、地域の生物多様性保全にも貢献しています。

※「尼崎21世紀の森構想」とは、尼崎市南部の臨海地域(約1,000ha)で、森と水と人が共生する環境創造のまちづくりを進めるため、市民・行政・企業などの参画と協働により、100年かけて森づくりを行うものです。

【VOICE】 尼崎の森中央緑地 生物多様性の森づくり

尼崎の森中央緑地パークセンター
生物多様性コーディネーター
石丸 京子

5号湾岸線尼崎末広出入口のすぐ西、海に突き出た緑の埋め立て地が兵庫県立尼崎の森中央緑地です。自然が失われた臨海部に人の手によって、0からどこまで「生物多様性」をつくり出すことができるかに挑戦する、全国的にも珍しい森づくりを行っています。地域のタネから育てた郷土苗13万本を植栽し、みんなの力で100年かけて「生き物いっぱいの森」を育てる壮大なプロジェクトです。2017年より「阪神高速グループの森」では15種類もの苗木を植え、多様性豊かな森を育てていただいています。森にはすでに昆虫や鳥が集まり「生き物いっぱいの森」が育ちつつあります。

環境情報の発信

森の文化祭

公式ホームページやSNS、環境イベントなどを通じ、環境への取り組みを発信しています。

砂浜清掃のボランティア活動

砂浜清掃ボランティア活動

海洋環境保全に対する取り組みとして、阪神高速道路沿線区域周辺で砂浜清掃のボランティア活動を行っています。2021年度は3号神戸線沿線の須磨海岸において、現地でビーチクリーン活動を行っているNPO法人と連携し、実施しました。