鋼橋の現場溶接継手部の品質確認方法としては、これまで記録性に優れる放射線透過試験(RT)による検査が主として行われ、RTの適用不可能な個所にのみ超音波探傷検査(UT)が適用されてきました。しかし、RTは放射線を使用するため、市街地の現場では安全管理上および工程管理上に制約があり、機械操作には厳しい検査資格を必要としていました。
このような状況を受け、阪神高速では、UTの操作性および記録性に着目し、更なる改善を加え、超音波自動探傷検査(AUT)システムを開発するとともに、超音波自動探傷検査要領として、AUTが実際の工事で使用できるように、必要な技術的条件を取りまとめました。
これにより、AUTを用いても従来のRTと同等の検査結果を期待することができ、現場条件を考慮して最適な検査手法を任意に選ぶことができるようになりました。
本技術は、平成5年度の土木学会関西支部 技術賞奨励賞を受賞しました。