図:機能分離型支承システムの概念
橋梁では、一般的に橋桁と橋脚の接合には「支承」と呼ばれる装置を使います。橋桁を支える支承は、橋桁自重と自動車重量などの鉛直方向の力(鉛直荷重)と地震や風などにより生じる水平方向の力(水平荷重)を支えるという2つの機能を担っています。最近では大地震時における橋桁の大きな移動にも対応できる、ゴム製の支承を用いるケースが増えています。
ところが、ひとつの支承で鉛直荷重と水平荷重の両方に対応する設計をした場合、支承のサイズが大きくなり不経済となります。
そこで、2つの機能を鉛直荷重用と水平荷重用の2種類の支承に分離することにより、合理的な設計を行い、支承の形状をコンパクトにしています。この支承を「機能分離型支承」といいます。
また、鉛直用の支承でも地震時の水平力を受ける際に発生する摩擦力により免震効果を発揮し、耐震性の向上にもつながります。
(特許第3146259号)
図:機能分離支承設置位置
図:機能分離型支承設置状況