14号松原線の喜連瓜破高架橋は、1979年に建設した橋長154mのPC3径間有ヒンジラーメン箱桁橋です。この"有ヒンジラーメン橋"という構造は、1960~1980年代にかけて多く建設された橋の形式ですが、その後、中央ヒンジ部の支承のメンテナンスや、橋の垂れ下がり・角折れなどの問題が発生したことから、現在、類似する条件で橋を建設する場合は、その多くが連続桁形式に変更されています。
喜連瓜破高架橋では、長年にわたり橋の変状を監視しながら、維持管理を行ってきましたが、近年、中央ヒンジ部の累積沈下量が30cmを超え、その後も沈下が進行する傾向が認められたため、平成15年度の14号松原線大規模補修工事(通行止め工事)にあわせて対策工事を実施しました。
その垂れ下がり抑止・回復対策としては、主要交差点(瓜破交差点)直上という現地条件の中で、たわみ回復効果が期待できる方法として、主桁下面にストラット部材を設け、外ケーブルを偏心配置させる構造(下弦ケーブル構造)を採用しました。この対策工事により、中央ヒンジ部の垂れ下がりを一定レベル回復することができました。
今後、本橋は、長期維持管理に向けた取り組みの中で、上記のようなこれまでの点検監視・維持・補修に加え、構造物の更新を視野に入れた抜本的対策の検討・実施を行って参ります。
本橋で"下弦ケーブル構造"を採用するに至った主な理由は以下のとおりです。
この"下弦ケーブル構造"を実現するために、本橋では、水平ゴム支承の設置による中央ヒンジの改良、ストラット取付、定着構造としての柱頭部の改良等を実施した上で、外ケーブルを偏心配置・緊張を行いました。
本橋の補強対策の施工ステップを示します。
●ステップ1 ─ 補強前
●ステップ2
●ステップ3
●ステップ4
●ステップ5