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建設技術

イメージ シールドトンネルの有機繊維と耐火塗装にて耐火性能を向上させた「耐火型合成セグメント」

シールド | トンネル

シールドトンネルの有機繊維と耐火塗装にて
耐火性能を向上させた「耐火型合成セグメント」

キーワード シールドトンネル、 合成セグメント、 耐火
図:全体概要


図:耐火被覆材(吹付け)案

シールド工法でトンネルを掘る場合、通常、セグメントと呼ばれるプレキャストの部材をボルト等を用いて組み立てることによって形成される「1次覆工」と、1次覆工の内側に現場打ちコンクリートを打設する「2次覆工」を構築します。近年のシールドトンネルにおいては、1次覆工の止水機能が向上してきたことから、コストを抑えるべく、2次覆工を省略し、掘削断面を縮小する事例が多くなっています。この場合、2次覆工に期待していたセグメントを車両火災から守るための耐火機能を、1次覆工に付与する必要があり、一般的には、耐火パネルや耐火モルタルが用いられています。

京都線新十条トンネルでは、鋼とコンクリートの合成セグメントを対象として、コンクリートには有機繊維を混入し、鋼材部分には耐火塗装にて耐火性能を向上させた「耐火型合成セグメント」に着目し、清水建設株式会社および新日本製鐵株式会社とともに、実大規模のモデルを用いた耐火性能を確認する実験により、当該技術の実用性を実証しました。

耐火型合成セグメントには以下の特長があります。

  1. セグメントの組み立てと同時に耐火工が完成するため、後施工の耐火工が不要になる。
  2. 後施工の耐火工のための作業台車、保管ヤード、材料運搬などが不要のため、コスト・工期が削減できる。
  3. セグメントの製造を工場で行うため、高い品質信頼性が確保できる。

※阪神高速8号京都線は平成31年4月1日(月)からNEXCO西日本と京都市に移管されました。