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震災復旧・耐震対策
イメージ 既設の橋脚において、新耐震設計基準を乗り越えるための3つの耐震対策
橋梁 | 鋼橋

既設の橋脚において、
新耐震設計基準を乗り越えるための3つの耐震対策

建設場所
阪神高速全線
キーワード
鋼製橋脚、コンクリート橋脚、上部工、耐震補強

1995年1月17日早朝に発生した兵庫県南部地震により、阪神高速道路でも甚大な被害が発生し、その知見をふまえて、阪神高速道路の耐震設計基準が見直されました。また、古い基準で設計されている既設の橋梁については、耐震対策が実施されています。一般橋梁区間における耐震対策は、以下の3つに大別されます。

(1)鋼製橋脚の耐震対策

コンクリート充填補強工法

橋脚内部に一定の高さまでコンクリートを充填し、耐震性を高める(折れ・倒れに強くする)工法です。

縦リブ補強工法

橋脚内部重力方向にリブを増設もしくは既設リブを補強し、耐震性を高める(折れに強くする)工法です。

定着部補強工法

橋脚基部の部材を補強し耐震性を高める(倒れに強くする)工法です。

図:縦リブ補強工法

図:縦リブ補強工法

(2)コンクリート橋脚の耐震対策

鋼板巻立て工法

コンクリートの橋脚に鋼板を巻き立て、耐震性を高める(折れに強くする)工法。鋼板と柱の間にはモルタルを充填します。

コンクリート巻立て工法

コンクリートの橋脚にコンクリートを巻き立て(増し厚)、耐震性を高める(折れに強くする)工法です。

炭素繊維シート巻き立て工法

コンクリートの橋脚に炭素繊維シートを巻き立て耐震性を高める(折れに強くする)工法です。炭素繊維シートには樹脂を浸透させ、硬化させます。

図:鋼板巻立て工法

図:鋼板巻立て工法

(3)上部工の耐震対策

免震ゴム支承

ゴムと鋼板をサンドイッチ状に重ねることで、桁の動きに追随・地震力を低減する効果を持ちます。

写真:免震ゴム支承

写真:免震ゴム支承

桁連結化

桁と桁を剛結することで桁が落ちるのを防ぎます。

写真:桁連結化

写真:桁連結化

桁かかり長の確保

梁上面の面積を増やし、桁が落ちるのを防ぎます。

写真:梁拡幅

写真:梁拡幅

落橋防止装置

桁と桁をケーブル・チェーンで繋いで桁が落ちるのを防ぎます。

写真:PCケーブル(左)、ゴム被覆チェーン(右)

写真:PCケーブル(左)、ゴム被覆チェーン(右)

変位制限構造の設置

支承が損傷した際に桁が梁上に落下し、道路上に段差が出来るのを防ぎます。

写真:変位制限装置

写真:変位制限装置