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鉄道函体アンダーピニング下に構築する開削トンネルの施工技術(5/5)

都市部の立体交差工事に、新しい可能性を切り拓く

平成22(2010)年12月4日、神戸山手線の開通を記念してイベントも催された。当日は好天に恵まれ、午前・午後の部を合わせて約1,500名が、ふだんめったに歩けないトンネル内でのハイウェイウォークを楽しんだ。

写真:ハイウェイウォークの光景
いまプロジェクトを振り返って、印象に残っていることを聞かせてください
藤井

やはり、鉄道函体が露わになった時ですね。
普通、トンネルというのは完成してしまうと中からしか見ることができない。それを完全に掘り出して杭で支えている光景を見ることなんてまずないですからね。
桁外れのスケールの大きさに驚いた一方で、絶対に事故は起こしてはならないと緊張したことは今でも鮮明に覚えています。
また、平成21年度にはこの仮受け工事で土木学会技術賞*1、平成22年度には南伸部の路線建設で土木学会関西支部技術賞*2を受賞しており、事業に携わった皆さんの功績が認められ、最後を締め括ることができてよかったと思います。

大池

これだけの工事ですから、本当に様々な立場の人が様々な意見を持ちつつ、一つの目的に向かって力を合わせるわけで、苦労もありますがやりがいも大きい。

立場の異なった新たな環境に放り込まれるという経験をしたことがとてもよかったと思います。
写真:大池 岳人
最後に、後に続く技術者たちにメッセージをお願いします。
大池

私はまだそういうことを言える立場じゃないので…。
プロジェクトも終わったばかりで、正直「満腹」という感じなのですが(笑)、満腹だけど、またやりたいというのも正直な気持ちです。
大きい現場に関わると、その経験が絶対に次の現場に生かせると思います。とにかく"現場主義"、大事な事だと思います。

写真:大池 岳人
藤井

私はこのプロジェクトの前半では、主に設計や施工法の検討に携わっていました。しばらく離れて、戻ってきたら、絵(図面)に描いたことが現実になろうとしており、「すごい技術力やな。どんな難工事でもやればできるんや」と感動しました。
また、事業を計画した人、用地を取得した人、各種協議や手続きに携わった人、地域住民の皆さんに説明して回った人など、数え上げればきりがないくらい、今回のプロジェクトでは多くの人の力をお借りしています。出来上がった構造物を見て、自分もそのうちの一人であることに誇りを感じました。
一人の力には限りがあるけれど、各自が与えられたパートで全力を尽くせば、どんな困難も乗り越えていけるはずです。
社会に貢献する事業に参画し、取り組んだ作品をつくりあげた時の感動を、ぜひ若い人達にも味わってもらいたいと思います。

写真:藤井 康男
(2011年3月 更新)
*1:
国内最大の仮受け工事の計画と施工:
神戸高速鉄道株式会社、阪神高速道路株式会社、鹿島・奥村・佐藤・森・ハンシン建設工事共同企業体
*2:
阪神高速神戸山手線(南伸部)の建設 -密集市街地を貫く開削トンネル-:
阪神高速道路株式会社神戸建設部
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