景観にこだわり、地域のランドマークとなるようなジャンクションをつくる ―
そんな志のもとスタートしたデザインJCTプロジェクトだったが、さらに具体的にコンセプトを詰める必要があった。堺臨海部の特徴としては、「水辺」「緑」「ウォーターフロント」など自然環境の豊かさをキーワードに挙げていた。一方、三宝ジャンクションは「鉄」「コンクリート」を材料とする大規模人工建造物。自然と人工、相反する2つの要素をどのように融合させるのかが大きな課題となった。
まず、三宝ジャンクションが人々の目にどのように映るのかを調べてみることにしました。周辺の街路から見る視点(外部景観)と、高速道路の利用する方が見る視点(内部景観)に分けて、構造物がどのように見えるかを整理してみたのです。その結果、通常の設計では構造物の形状・素材・色彩が異なる鋼橋とコンクリート橋が混在して統一感がなく、とても自然と調和するどころではないことがわかりました。
視点場の抽出と構造物の見え方
景観設計範囲の設定
豊かな自然と人口建造物。この2つを融合させるためのツールを"デザイン"とし、改めてコンセプトを"水辺や緑豊かな周辺環境に調査したデザイン"としました。その時に決定した全体景観設計方針は次のようなものです。
全体景観設計方針