通行止めの日程を決めてから実際に工事に着手するまでには約10カ月を要する。その間に工事が無事に行えるよう、関係各所との調整および一般への周知を行うのが保全管理課だ。主な仕事は大きく3つ、「影響検討」「協議」「工事広報」である。
最初にするのが「影響検討」。通行止めによる渋滞などの交通影響を予測し、対策を検討することです。他の高速道路や一般道に車が流れることで交通量がどのくらい増加するかを算出し対策を練ります。
そしてその資料をもって「協議」、すなわち警察や道路管理者との事前協議に入ります。警察本部に始まり関係所轄、工事範囲が他県にまたがる場合にはその自治体や所轄警察、さらには高速道路交通警察隊というように、ステップを踏んで協議を重ねます。
その中で出た様々な意見や要望を反映させるために、対策を練り直すということを何度も繰り返しながら、ようやく通行止めをしても問題がないという回答を得られるのは事前協議が始まってから5、6か月後くらいです。
「協議」と並行して「工事広報」を進めます。
テレビ・ラジオCM、ポスター、リーフレット、横断幕、看板、ホームページ、う回路の案内板など様々なものを製作しなくてはなりません。工事の2か月前から告知を始めますので、それまでにすべてを仕上げ、設置場所の許可も取っておく必要があります。
告知が始まればお客様からのお問合せにも対応します。
湾岸線フレッシュアップ工事の広報物
リーフレット35万部、ポスター2800部を配布
そうですね、設置場所の許可申請はとにかく人海戦術です。
のべにすると百回以上申請して回答をいただいて、あちらこちら走り回らないといけないです。しかも都心部での通行止めなんて正直迷惑ですよね。
「なぜこんな時期にするのか」「車線規制では無理なのか」といった意見は必ず出ます。しかし、道路を健全に保つことは人の命を守ることに直結しますので、決して諦めずに交渉し、最後は納得していただくようにしています。
ズラリと並ぶ申請書類
設置した横断幕、看板は延べ300におよぶ