UFC床版を最初に見た時、既存のRC床版しか知らない私は、その薄さ(150mm)に驚きました。道路床版の厚さに関して国は、設計の指針として最低厚みを定めていますが、UFC床版はその基準を大きく上回るもの。過去に例のない床版をつくろうという阪神高速の意気込みが、そこに現れています。UFC床版だけではありません。阪神高速は、ワクにとらわれず、常に上をめざしてチャレンジを続ける会社。UFC床版はまさにそれを体現する技術開発であり、その実用化に向けた取り組みの一翼を担えたのは私の誇りです。「玉出入口リニューアル工事」を契機として、UFC床版はやがて全国の自治体の道路橋へと広がっていくかもしれません。私はUFC床版の将来に大きな可能性を感じています。
「玉出入口リニューアル工事」でUFC床版の詳細設計に携わることができたのは、今振り返っても、この上なく貴重な経験だったと思っています。時代の一歩先をゆくコンクリート工学の先端技術に触れることができたし、業務を通じて高度成長期につくられた高速道路などの社会インフラが、年月を重ねて劣化し、更新すらも必要な時代になりつつあることを肌で感じ取ることができたからです。UFC床版は、「コンクリートはひび割れて当たり前」「コンクリートには鉄筋が入っていて当たり前」といった常識を覆すスゴい技術です。その技術に間近で触れる中で得た知見と経験を、今関わっている大阪湾岸道路西伸部の建設プロジェクトにもつなぎ、生かしていけたらと考えています。
阪神高速は兵庫県南部地震を経験したことで、丈夫なはずのコンクリートがいかに外部からの衝撃に弱いか、重さがいかに破壊を招く要因となりうるか、耐震のためには死荷重を軽くすることは第一条件となることを肌身に感じて知っています。だからこそ、その苦い経験を乗り越えるために、限りなく軽く、限りなく強い材料の研究開発に執念を燃やし、ついにはUFC床版の実用化という成果を残しました。でもその挑戦が、ここで終わるわけではありません。阪神高速は、これからも軽くて強い材料の開発を続けていくに違いないし、そのための経験を日夜積み重ねている会社。その一員としての使命を忘れず、自分にできる最善を尽くしていきたいと思っています。
UFC床版を使った道路床版の研究は、日本はおろか、広く海外でも進んでいます。そんな中、都市の高速道路へ適用することに初めて成功した阪神高速。そのプロジェクトの最前線で私が見たのは、どんなに難しい課題に遭遇しても絶対にあきらめたりせず、乗り越えようと努力を重ね、目標達成にむけて日々新たなチャレンジを続ける先輩・上司の姿でした。私が今取り組んでいる大阪湾岸道路西伸部の建設においても、UFC床版の導入について前向きに検討しています。自分自身がプロジェクトチームの一員であったことを忘れず、先輩・上司たちが見せてくれたチャレンジ精神をよりどころとして、さまざまな課題を乗り越えていきたいと思っています。