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万全の準備で勝ちとった審査委員特別賞

阪神高速 TEAM 湾岸西伸

2017年7月にスタートしたばかりの神戸建設所の若手を総動員して編成されたチーム。全員がふだん同じフロアで仕事をしていることもあって、コミュニケーションの良さとチームワークが強み。事業化が決定した湾岸道路西伸部のPRを目的として、全員が強い使命感をもって本番にのぞみ、「審査委員特別賞」を射止めた。

阪神高速 TEAM 湾岸西伸「斜挑橋」

コンテストに参加して、今の率直な感想は?
関川

湾岸道路西伸部のアピールを意識して、あえて難しい斜張橋に挑戦しましたが、実際につくってみると想像以上の難しさがあって、途中何度も挫折しそうになりました。でも失敗のたびに改善を加えながら試作を繰り返した結果、メンバーの作業スピードや精度がどんどんあがり、本番の載荷試験は見事クリア。「審査委員特別賞」をいただくことができました。

神戸建設所の若手がチームワークを発揮したのは嬉しいし、受賞によって神戸建設所の士気を高めることができて満足しています。
関川 洋介 建設・更新事業本部神戸建設所企画課 2009年入社
岡上

本番前日のギリギリまで試作練習を重ね、あーでもない、こーでもないと議論し、みんなの知恵とか知識を結集して本番にのぞみました。本番では、工作を担当する私と小倉さんと川﨑君の3人で互いに声をかけあい、アイコンタクトしながら作業にあたりました。コンテストでしかできない経験でしたね。

西海

私はコンテスト1日目にチームを代表して来場者に「斜挑橋」をアピールする役割でしたが、前日になっても載荷試験の予行演習に失敗し、当日は「落橋」の恐怖がチラつきながらのプレゼンテーションでした(笑)。でも「斜張橋という難易度の高いことに挑戦しているのだ」という自負は常にあったし、最終的には落橋もなく100点満点のこれ以上ない結果。たぶん、もう一度同じことをやれといわれてもできないでしょうね(笑)。

阪神高速 TEAM 湾岸西伸の練習風景

川﨑

もともと不器用で、最初は材料を切ったり張ったりする作業が苦手でした。
せっかく出場の機会をもらったのに、いつか「レギュラー落ち」かなと覚悟していましたが、先輩方から「熱い指導」をいただいて、何とか橋をつくれるレベルにまで上達できました。仕事と両立するのは大変でしたが、楽しみながらやれました。

小倉

これまで設計課に配属されたことがなく、コンテストは知っていても、自分には縁のないものとずっと思っていました。それだけに出場することが決まってからは大きなプレッシャーを感じていました。
また湾岸道路西伸部の建設を手がける神戸建設所を代表して出場する以上、載荷試験で絶対失敗するわけにはいきません。

2つのプレッシャーで押しつぶされるそうになりながら頑張っただけに、特別賞までいただけて、ホッとしているというのが正直なところです。
小倉 冴香 建設・更新事業本部 神戸建設所企画課 2012年入社
コンテストに参加した動機は何ですか?
岡上

神戸建設所は誕生したばかりの新しい部署だけに、技術をアピールしたいという気持ちがありました。また現在は湾岸道路西伸部の設計に関わっていますが、コンテストを通じて、橋梁に対してどういう設計が適切なのかを深く理解したいという思いで応募しました。

川﨑 雅和 建設・更新事業本部 神戸建設所設計課 2017年入社
川﨑

阪神高速が橋梁模型製作コンテストに毎年出場していることは就活中から知っていて、橋の構造をさらに理解することができますし、『いつか出場したい』と思っていました。でも入社1年目で仕事もまだおぼつかないなかでの参加はないと思っていましたが、

いきなり1年目からチャンスがめぐってくるとは思いもよらなかったです。
西海

私も同じです。結果を出して、阪神高速が高い技術を持っていることをアピールしたいと思い、参加しました。

小倉

神戸建設所の若手の一人として、『やるしかない』という使命感、責任感みたいなものがありました。

橋梁模型製作コンテスト当日

いまだから言えるエピソードなどあれば、聞かせてください。
岡上

実は本番前日に構造変更したために、主要な部材のサイズが合わないことに、本番終了5分前に気付いたんです。『入らへん!どうしよう』となったんですが、次の瞬間、3人全員の気持ちがひとつになって材料を少し小さめに加工し直すことを決め、鬼のようなスピードで作業しました。
でも結果的にはそれがうまくハマり、載荷試験も見事クリア。何度も何度も練習を重ね、本番に備えてきたからこそ、一瞬の判断も迷いなくできました。

その時は、さすがに胸が熱くなりました(笑)。
岡上 政史 建設・更新事業本部 神戸建設所設計課 2012年入社
関川

コンテストでいちばん緊張するのは2日目の載荷試験ですが、予行演習で行った試験は、実は1度も成功したことがなかったんです。だから本番の載荷試験は、まさに祈るような思いで見ていました。

川﨑

載荷試験でいえば、本番の前の週にすごく良い模型ができて、『これでいける!』と確信して、その日はウキウキで帰りました。ところが本番前日に試してみると、あえなく“グシャ”。あの時は、さすがに「終わった」と思いました(笑)。
でもそこから誰もあきらめることなく、「ここをこうすれば、いいんじゃないか」と意見を出し合い、最後の最後まで改良を重ね、本番の載荷試験で初めて25kgの重さに耐えた。まさに特別賞は、チームワークで勝ち取ったものでした。

載荷試験

関川

チームとしての活動は8月にスタートしたんですが、みんな仕事で忙しく、なかなか全員が顔を揃えることができない日がしばらく続きました。それで危機感を持って、本番まで1ヶ月を切ろうという時、「このままだと棄権することになってしまいます」と所長も含めて所内全員にメールを送り、檄を飛ばしました。それからメンバーにもスイッチが入ったみたいで、毎日少しでも練習しようと集まり、一気にスピードアップして本番にのぞむことができました。

川﨑

チームの活動が始まってしばらくの間は、何も分からないまま自分の意見を言うこともできず、先輩に言われたことをやるだけでしたが、関川さんから熱いメールをいただいてから、当事者意識を持って取り組むようになり、自分なりに考えたことを発言するようになりました。自分の意見が採用されると嬉しいし、1年目の意見でも先輩方はちゃんと答えてくれるので、次第に練習が楽しくなりました。

西海

あと、業務で結果が出ることはまれですが、コンテストは建設コンサルやゼネコンなど、同業界の仕事相手先がライバルです。

優劣がはっきりするので、やっぱり「負けられない」という気持ちは誰もが持っていたと思います。
西海 能史 建設・更新事業本部神戸建設所設計課 2010年入社
コンテストを通じて得たものは何でしょう?
岡上

学んだことをあげれば、キリがないくらいです。小規模とはいえ、計画から施工まで橋ができるまでのすべてを経験できたこと。また製作のプロセスを限られたメンバーでどう役割分担すればいいか、あるいは実際のモノづくりの大変さ、事前の準備をしっかり整えておくことの大切さ、適材適所がチームとして仕事をする上でどれだけ重要かも、肌で感じることができました。

小倉

今回アーチ橋なら高い確率で完成できたかもしれませんが、私たちはあえて難易度の高い斜張橋に挑戦しました。橋梁模型は、実際の橋に比べて規模も小さいし、部材も決められたものだから単純に比較はできませんが、それでも新しいものを取り入れようとすると、こんなにも多くの障害があるのかと実感し、実際の橋をつくるのにどれほど大変なエネルギーが必要かを肌で感じさせられました。

西海

「審査委員特別賞」を受賞できたのは、メンバーの一人ひとりが、チャレンジする気持ちを忘れなかったからです。難しい技術や最新の技術にも、果敢に挑戦していく姿勢。その大切さをコンテストを通じて学びました。

川﨑

チームのメンバーと力をあわせて作品づくりに取り組む中で、自分の考えをはっきりいえるようになりました。本来の業務でも、自分の意見を持ちながらチームとして考え、行動できるようになった気がしています。最近仕事を楽しく感じるのも、そういうことと関係があるのかもしれません。

関川

コンテストの出場は今回で3度目ですが、最初は製作メンバー、2回目はチームのサポート役で、チームのまとめ役として参加したのは初めてでした。仕事でもチームのまとめ役を務めた経験は少なく、リーダーシップを学ぶいい機会になりました。また私を除くメンバーは全員初出場。全員が高いモチベーションを持って取り組まなければ、良い結果は残せません。まとめ役として適材適所の役割を考え、仕事が忙しいメンバーのモチベーションをどう引き出していけばいいのか、今回悩みながら経験したことは必ず今後の糧になると思っています。

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