交通管制システムの3つの柱は「情報収集」「情報処理」「情報提供」である。
それ以外には、事故や故障車などの交通障害に対応し、速やかに正常な交通の流れを回復させる交通管理の支援、状況に応じて入口制限や閉鎖を行う流入制御(交通調整)などの業務がある。
「情報収集」に関しては、道路上に様々な情報収集装置が設置されているのを見たことがある人は多いだろう。
車両検知器、テレビカメラ、車両番号読取装置(AVI)、突発事象検出カメラ、非常電話、気象観測システムなどがそうである。
車両検知器
テレビカメラ
車両番号読取装置(AVI)
突発事象検出カメラ
中でも渋滞検知と所要時間算出の仕組みは阪神高速独自のもので、高い評価を受けている。
ええ、そうです。
本線上に500m間隔で設置した検知器から超音波を発生させ、道路面側からの反射波を利用して交通量と時間占有率を計測しています。
このデータを用いて渋滞の長さや所要時間を算定できます。
通常、こうした検知器を用いて各区間の所要時間を算出する場合車両速度の計測が必要で計測地点毎に2個の検知器を設置する必要があります。しかし阪神高速では車両速度を直接計測するかわりに平均車長と時間占有率から算出しているため、1箇所に1個のみの設置での計測を可能にしました。
算定した所要時間を検証したのですが、概ね満足できる結果が出ています。
この所要時間の算出と情報提供も、平成2(1990)年に日本で初めて阪神高速が行ったものです。今では当たり前になっていますが、当時としては画期的なシステムでした。目的地まで行くのに、どれくらい時間がかかるのかを前もって知ることができれば、ドライバーのイライラも相当解消されますからね。
余談ですが大阪駅の信号の待ち時間表示、あれって他府県の人は驚くんですってね。関西人は全国的に見ても"イラチ"みたいで。
その甲斐あって(?)こうした分野の研究への取り組みが早いんじゃないでしょうか(笑)。