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電気がついて当たり前というプレッシャー

高速道路という言葉を聞いた時に、道路や橋の建設、大掛かりな改修工事などの場面はイメージしても、電気通信設備を真っ先に思い浮かべる人は少ないのではないだろうか。
それなしには高速道路は成り立たないにもかかわらず、私たちは普段それをあまり意識していないと言えそうだ。言い換えればそれほどまでに電気通信設備というものが、私達の生活に密接なものとなってしまっている証拠なのかもしれない。
しかし、あって当たり前とみんなが思っているものを、維持管理する立場の人々の苦労は並大抵ではない。

阪神高速の照明灯は全部でどれくらいあるのですか
庄

照明柱としては本線と入出口をあわせて1万4千本程度、1本に2つの灯具がついているものもあるので、電球は2万個以上、そこにトンネルなどの照明を加えるとおよそ3万個以上の灯りを管理しているということになりますね。

田中

高速道路は24時間営業ですから、閉店後に作業をするということができないんですよ。かと言って通行規制をすればお客様に迷惑がかかってしまう。しかし作業をする人達の安全もしっかり確保したい。そのあたりのジレンマはありますね。

そういうこともあって、長寿命の照明器具が開発されてきたのですね

庄

その通りです。バスタブカーブと呼ばれるものがありましてね、電気製品の故障の発生率というものは、ちょうどバスタブのようなカーブを描くことが多いです。

つまり最初壊れやすく、次に安定期に入り、徐々に劣化していって突如寿命が尽きるんです。この安定期が長ければ長いほど取り換えの作業をしなくて済むわけで、コスト面も抑えられるし、お客様にご迷惑をおかけする工事の回数も減らすことができるんです。また高速道路上での作業は非常に危険なので、作業員の負担軽減にも貢献しています。

最初に開発された低圧ナトリウム灯は、約9千時間の寿命を持っていました。これが高圧ナトリウム灯になって約1万8千時間に延びた。さらに今回のLED照明はおよそ6万時間です。1日に12時間点灯するものとして約13年もつんですよ。しかも電球ではなく電子部品なので球切れの心配もありません。

図:故障率曲線(バスタブカーブ)
田中

もう一つ、LEDのいいところは、明るさの調整が簡単にできることなんです。そこで新品の時の余分な明るさを抑えることで、電力の無駄遣いをせずに長期にわたって同じ明るさをキープできるようになりました。

写真:従来の道路照明
写真:LED道路照明

照明灯もそうですが、よく考えると電気通信設備の担う役割はすごく重いですね

庄

そうですね。電気があるのが当たり前ですから。
そのために重要なのが安定した電力の確保、充実した通信設備、円滑な情報処理能力などです。またトンネル内の災害からお客様を守るシステムも極めて重要ですし、料金所の通過をスムーズにするためのETCの整備にも力を入れています。

田中

白状しますと、じつは私は入社してこちらの部署に配属された頃は、電気の仕事というと照明灯くらいしかイメージがなくて、暇で楽ができそうだなと思っていたんですよ(笑)。今から考えると俺は何という勘違いをしていたんだと…。

庄

あははは、そんなこと思ってたんか。

樽岡

私も同じことを思っていました。

庄

なに?君もか。

樽岡

はい、すみません。
でもちょうど入社した頃がETCの導入時期で、社内はものすごいことになっていて、その幻想はすぐに吹き飛びましたけど(笑)。

写真:樽岡 達矢
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目次
Case.8 安全・安心・快適を照明でサポート日本初、高速道路本線用LED道路照明
1ページ高性能なLED道路照明の開発、導入への道のり
2ページ電気がついて当たり前というプレッシャー
3ページ消費電力、CO2、コストをすべて削減