南島換気所は、大和川線(第1トンネル)の直上に建つ換気所である。用途地域は工業地域で、北側に大和川、西側に公園、その他周辺には工場地が広がっている。色調は高規格堤防整備後に住居系市街地となる可能性を考慮し、ニュートラル系を採用した。
遠里小野換気所は、大和川線(第2トンネル)の南側に建つ換気所である。用途地域は工業地域で、北側に大和川、南側に工場、東側に府道、西側には阪堺電気軌道阪堺線および阪神高速15号堺線がある。色調は、モノトーン系を採用。敷地北側には常緑高木であるシラカシに加えソメイヨシノを列植することで、河川に面する道に華やかさを演出した。また、北側から南側に向けて傾斜している敷地を活かし地盤に建物の一部を埋め込み、府道および堤防沿いから換気所を見た時の建物ボリュームを抑え、建物を敷地南側にセットバックさせることで、堤防沿いから換気所を見た時の圧迫感の軽減に配慮した。
浅香山換気所は、大和川線(第3トンネル)の上部に建つ換気所である。用途地域は準工業地域で、浅香山浄水場の敷地内に位置し、南東側は公園、西側は住宅街が広がっている。色調はニュートラル系を採用した。周辺環境への配慮として、換気所北側に建つ浅香山浄水場の高架配水池2棟が円形であることから、排気塔を楕円形のデザインにしている。
また、浅香山浄水場はツツジの名所で「大阪みどりの百選」の一つとしてゴールデンウィークに開放されるため、浅香山換気所でも公園の通路に面する東側にツツジを列植し、周辺の自然環境と連続するような外構計画とした。
今池換気所は、大和川線(第3トンネル)の直上に建つ換気所。用途地域は準工業地域で、今池水みらいセンターの敷地内に位置し、北側は大和川が流れている。色調はモノトーン系を採用し、低層部を分節化することにより、ボリュームを低減した。
天美換気所は、大和川線(第3トンネル)の上部に建つ換気所で、南側と北側を道路に挟まれた立地となっている。用途地域は市街化調整地域であり、北側は戸建住宅、南側には阪南大学がある。色調はソフト系を採用し、低層部と中層部の間に小庇を設けることで分節化をより明確化し、ボリューム低減を図った。