1995年1月17日に起きた兵庫県南部地震。その被害は凄まじく、阪神高速でも3号神戸線と5号湾岸線の計6ヵ所で高架橋の倒壊や落橋が発生した。長大橋も同様に被害を受け、落橋などの致命的な被害は受けなかったものの、東神戸大橋の魚崎浜側端橋脚では、橋脚上に設置されていたすべての支承が損傷するなどの被害が生じた。
5号湾岸線アーチ橋の被害(六甲アイランド大橋)
支承の損傷事例(東神戸大橋)
震災後、阪神高速は長大橋の地震対策にいち早く取り組んだ。
全長が200mを超す「長大橋」の地震対策は、技術的な難しさや費用の面から、全国的に対策が遅れている現状であったが、阪神高速の社内には、震災を経験した自分達だからこそ、先駆者的役割を果たすべきであるとの思いがあった。
震災の教訓を胸に、長大橋の地震対策に取り組んだ日々を、建設事業本部設計審査担当課長の金治英貞が振り返った。
はい、自宅が震源から1kmの垂水にありましたので、震災の真っ只中におりました。
道路が何の機能も果たしていないのを、目の当たりにした時の絶望感は忘れられません。

金治 英貞
ええ、そうです。コンセプトがガラリと変わりました。これまでは"壊れないものをつくっているつもり"でした。
でも、それが壊れるのを目の前で見てしまった。自然の猛威に対して壊れない設計はできないと思い知らされたわけです。
もちろんそのことはショックでしたが、それなら"仮に壊れても、致命的でない壊れ方をするようにつくればいいのではないか"という方向に転換することができた。
今回地震対策した長大橋(特に港大橋・天保山大橋・東神戸大橋)には、その新しいコンセプトに基づいた技術が使われています。つまりこれまでのような、力には力で対抗しようとする「耐震」のみに頼るのではなく、力をうまく逃がす「免震」や、力をコントロールする「制震」の技術が数多く取り入れられたということです。これを私は総合的な対震性能向上と呼んでいます。

GISを活用した情報共有プラットフォーム「COSMOS-GIS」
高架道路上パーキングエリアの設計・施工
新交通管制システム
工事情報等共有システム「Hi-TeLus」
15号堺線玉出入口ランプ橋 リニューアル工事
炎強調システム&WDRカメラ
橋梁模型製作コンテスト
Dr.RINGプロジェクト
スーパーコンピュータ「京」を使った技術的挑戦
都市部道路トンネルの換気所設計
阪神高速独自のフレッシュアップ工事
日本初、鋼管集成橋脚の開発と実用化
三宝ジャンクションの景観設計
日本初、インバータ制御ジェットファンによるトンネル換気と排煙制御
阪高 SAFETYナビを活用した交通安全施策
日本初、高速道路本線用LED道路照明
交通管制システム
保全情報管理システム
地震対策(免震構造・制震構造)
下弦ケーブルを用いた有ヒンジラーメン橋の補強設計と施工
アルカリ骨材反応対策
鉄道函体アンダーピニング下に構築する開削トンネルの施工技術
湊川ジャンクション改築工事