トップページ > 阪神高速のこだわりの技術 > GISを活用した情報共有プラットフォーム「COSMOS-GIS」(1/5)

各部署のデータをより広く活用するために

さらなる「先進の道路サービス」を目指す阪神高速では、阪神高速グループが保有する蓄積された豊富な各種道路管理データのより効率的な活用方法について2015年から検討、一元管理する情報システム群「阪神高速COSMOS(コスモス)」の開発に至り、2019年6月から運用を開始した。メンテナンスや道路交通マネジメント等のそれぞれ部署で最適化されたシステムを連携させ、誰もが使いやすい新たなシステム群として、業務の効率化・高度化に成功している3人の開発担当者にその立ち上げ期から、黎明期~成長期を経て、現在に至るまでの話を聞いた。

「COSMOS」とはどのようなシステムでしょうか。

有馬

阪神高速グループが保有する膨大なデータを集約、展開できる情報システム群です。GISをプラットホームにして、さまざまなデータを地図上で重ね合わせて表示することが可能です。膨大なデータの中から必要な情報を可視化できるので、幅広い分野における情報共有ができ、作業の効率化・高度化が期待できます。阪神高速グループのほとんどの社員が利用できます。

阪神高速COSMOS

「COSMOS」は、Communication Systems for Maintenance, Operation and Serviceを略したものです。Communication とは、社員同士、また社外の人とのコミュニケーション、Systemsの「s」は、多くのシステムが繋がっているイメージです。多くのシステムを連携させ、社員同士、また社外の人とのコミュニケーションを図るためのシステム群という意味です。for Maintenance, Operation and Serviceは構造物や施設のメンテナンス、道路としてのオペレーション、お客さまへのサービスを表しています。私たちの仕事をスムーズに進め、新しいものをつくるための大きな仕組みを名前に込めました。

閉じる

「COSMOS」に取り組むこととなった背景、目的等についてお聞かせください。

有馬

2014年にシステム関係のグループ会社に異動したことで、社内システムを俯瞰的に見られるようになりました。半年ほどすると、各業務支援システムだけでなくデータが各々の部署や業務でのみで運用されており、十分に活用できていないことが見て取れました。建設、維持管理などの部署の経験もあったことから、それぞれの部署の課題は他部署のシステムやデータがあれば、すぐに解決できるのではないかと考えました。

そこで、位置情報を基に部署や業務の垣根を越えてシステム同士を繋ぎ合わせて集約し、情報の行き来が出来る仕組みが実現できれば、業務効率が上がり、さらに高度なことにも取り組むことができると期待しました。

阪神高速COSMOS

スタート時点での課題はどのようなことでしたか。

有馬

各部署それぞれで最適化され使われているデータを一元的に束ねる方法や主体となって進めてもらう部署を選定することに苦慮しました。また、どのような技術を使うのか、社内のどの部門を対象とするか、そもそもこの取り組みをどのように進めていくか、課題は山積みでした。